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11: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:27:20
今から5年前、大学の元山岳部の奴らと久々に昔を思い出しつつ
大学時代、最後に登ったA山に行く事になった。
やはり皆学生時代の体力は残っておらず、ぜはぜは言いながら登ったさ。
んで頂上から少し下ったところで適当にテントを張り、酒を呑み昔話に浸った。
すると友人の一人がポツリと、「そういえばさー・・」と口を開いた。

なんでも大学時代、今自分たちがしているようにテン泊していた時の事・・
皆がイビキをかいて爆睡してる中友人はなかなか寝付けず、外の空気を吸おうと
一人でライト片手に外に出て、ぶらぶらしながら煙草を吸っていたそうだ。
するとどこからか声が聞こえる。それも複数人の声が。

声はどこからしているかはよく判らなかったそうだが、どうもおかしい。
全員「爆笑」しているのだそうだ。本当に「ギャハハ」といった具合に。
こんな真夜中、ライトも付けずに山歩きしながら爆笑なんて有り得ない。
友人はヤバイかな?と思いテントに戻ろうとしたそうだ。

するとその声がいきなり近くなった。
風もない日だったので、なんの音もしなかった。自分以外の気配は感じなかった。
しかし確実に自分の近くで爆笑している奴らが居るのだ。
友人は冷静を装いつつテントに戻る事にした。
もしかしたら寝てる奴らもこの声に起きてるかも知れない。
一人がとても怖く感じたそうだ。
テントに灯りはついていなかった。ライトを弱くして急いでテントを開けようとすると
「ギャハハハ」
頭の上からあの笑い声がしたというのだ。

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15: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:35:03
>>11の続きよ

で、まあ友人は気絶したとかそんなオチは無く、普通にテントに入り寝たそうだ。
俺等はそんな出来事を初めて知ったし、事実友人は皆にこの事を初めて話した。
当時の後輩に恐がりなヤツが居たからそれにも配慮したのだろう。
大学卒業から10年近く経ち、俺たちはマジかよーと笑い合った。
大学時代に戻ったようでなんだか楽しかった。

長時間の呑みも終わり、そろそろ寝るぞ空気になってきたので就寝。
しばらくして皆寝静まり、俺もウトウトしてきた頃。。
不意に隣で寝てると思った友人が小声で喋りかけてきた。
「あのな、飲みの時は言わなかったけどお前には言うわ」
「なんだよwまだ続きあんのか?」
「いや~・・あの後な、急いで俺テントに入ったんだけど、
ライトでお前の顔が照らされた時さ、お前めちゃくちゃ笑ってたんだよ」
「は?俺起きてたって事???」
「いや、間違いなく寝てたんだけど顔だけ笑ってたの」
・・・・こえーよ馬鹿!!!言うなよ!!!

そんなこんなでまた当時の仲間と山登りを始める事になったのでありました。
長文すまんね。

12: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:32:17
戊辰戦争の折、父親の実家近辺は「奥羽越列藩同盟」に端を発する「秋田戦争」に
於いて秋田久保田藩士と岩手南部藩士が激戦を繰り広げた場所でした。それ故か、
父親は何度か彼等の幽霊に出会ったそうです。

話は戦前になります。当時、田舎に住む子供達はどこも同じだったと思いますが、自ら
山へ入って主に小型の獣を獲ってその皮を剥いでなめしたり、仕掛け針で鰻や鯰を獲っ
て小遣い稼ぎをしていました。親父もそんな例に漏れず、よく山へ獲物を獲りに出かけ
たそうです。

さて、そんなある日の事。やはり親父は仕掛けた罠に何か掛かってないかと山へ入っ
たそうです。いつもの通い慣れた道を通って山の奥へ…が、その日は何かが違ってた
と言います。妙に体が軽い。気持ちも晴れ晴れとしている。理由は分からないけど、こ
れから良い事がありそうな予感でした。

そんな感じでテクテクと歩いてると、樹木の陰に何やらチラチラと見えるものがありま
す。よく見ると、誰かが座って休んでいるようです。親父は黙って脇を通過しようとしま
した…と、思わず足を止めてしまいました。

一旦切ります。

13: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:33:13
続きです。

どう見ても、その人物は自分達とは違う格好をしていました。以前、行列で家の中を
歩いてた…、そうだ、あの戦士達と同じ姿じゃないか。その兵士が今、目の前で道端
にうずくまるようにしている。

その時、不意に兵士が顔を上げ、親父の顔をじっと見つめました。年の頃は15,6歳で
しょうか。とはいえ、意志の強そうな顔をしており、実に立派な戦士に見えたそうです。
と、彼はおもむろに立ち上がると、突然風のような速さで山を下り始めたそうです。

それを見た親父は思わず、『そっちは○○(親父が住んでいた村)に行く道だよ!』と
呼びかけました。すると彼は一瞬親父を振り返り、そのまま走り去ったとの事です。
その姿はまるでこれから戦場へ臨むような、そんな印象だったと。

私はこの話を聞いた時、『で、その人は敵(南部藩)だったの?味方(久保田藩)だっ
たの?』と質問しましたが、『どっちにしたって日本の為と思ってたんだ、敵も味方も
無いだろう』と諌められました。

以上、乱文にて失礼しました。

16: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:39:54
昔、群馬北部の里山を探訪した時の事。

その家は大層人里から離れており、なにかよほどの理由でもなければ訪れないような場所だった。
そんな場所にも関わらず、一軒家として存在していた。
人が暮らすにはあまりにも寂しい場所に。

もう長いことだれも住んで居ないのは明らかだった。

私はいけないことと思いつつも、戸口に手を掛けた。
まず抵抗があると思っていたそれは、すんなりと開く。
私を招くように、暗い玄関が私を誘うように開かれる。

中に入るとかなり荒れてはいたが、確かに人が暮らしていた名残があった。
散乱している調度品や装飾品、たたまれていない布団。
壁の、捲られなくなったカレンダーの日付がやけに物悲しかった。
1984/5/7 この日付を最後に、ここから人が居なくなったのだろう。

奥に入ると仏間があった。
中には位牌と遺影がそのままに放置されている。
天井近くには板渡しが拵えてあり、だるまが何体も置かれているではないか。
人が住んでいるならある意味当たり前のソレも、現状では異様な光景として目に映った。
背筋がぞくぞくした。
(続く)

19: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:42:40
(続き)

そのときだ、奥にあるふすまから誰かに覗かれているような感じがした。
時間は来たときから1時間過ぎていた。
もう既に夕闇が迫っていた。

室内の雰囲気と相まって、見られているような気配はかなり気持ち悪い。
去りがたい、郷愁に似た感覚が恐怖に摩り替わるあの感じを、今でも思い出せる。
同時に入ってしまったことへの後ろめたさが自分を支配した。

場所は人里離れている。
何かあっても、助ける人は居ない。
そう思った私は、引き返す事にした。

そのとき、

「もういっちゃうの?」

背後からかぼそい、女の子の声が響き渡った。
私は駆け足で家からでると、出来るだけ早く下山した。
どこをどう通ったか覚えて居ないが、どうにか麓の村まで帰ることが出来た。

18: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:42:14
怖いよぉ・・・

21: 底名無し沼さん 投稿日:2007/09/13(木) 02:47:18
怖いです・・・。
一気にupされたから、全部読んじゃった。

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