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647: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
ちょっと長くなるかも

今から10年程前の話なんだけど
自分は某食品会社の会社員で、同僚に登山を趣味にしている人がいてその人に教えてもらって一緒に山登りを始めたんだ

648: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
最初は奥多摩や丹沢の山を登りその後、関東近県の主に百名山を中心に同僚とその山友とかと一緒に登った

初めは登山なんか疲れるだけだなと思ったんだが二度、三度と登って行くうちに自然の中に身を置いて体を動かしたり語らう楽しさや、下山後の温泉やお酒の旨さ、帰宅後の体の心地よい疲労感などを体験するうちに登山の楽しさが段々わかってきたんだ

649: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
そんなこんなで登山を始めてから二年目の夏は、同僚、友人と4人でパーティを組んで立山・剣にテント泊の縦走に行ったんだ
自分は初めて日本アルプスに行ったんだが(観光で黒部湖はある)、今までの関東近県の山とは違う山のスケールの大きさに驚いて日本アルプスはすごいと思った
関連記事
山の測量とかいうクッソ怖い話wwwww

651: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
その時の山行の天気は晴れで、北アの山のスケールの大きさに感動しながら、雄山、大汝山、真砂岳を縦走し、剣沢でテント泊をした

食事は今までの山行で昼飯で食べてたインスタントやレトルト類ではなく、肉や野菜などをふんだんに使った、焼肉、鍋、ごはん、酒という豪華メニューで山の食事を堪能したんだ
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参考:https://goo.gl/VPXM4A

654: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
次の日は剣を往復して蟹のタテバイやヨコバイにビビリながらもアルペン的な楽しさを満喫した

剣の頂上に立った時、日本海や後立山連邦、穂高連峰などの山々が一望に見渡せ、その美しさ、雄大さに北アに来て本当に良かったと思った
自分は山の名前の知識があまりなく、その時同僚からあれは鹿島槍、あれは穂高とか色々教えてもらい、特にすぐ近くの後立山連邦の山々の美しさに感動した
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参考:https://goo.gl/VPXM4A

655: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
初めてのテント泊山行はこんな感じで楽しさの中で終わったんだが、翌年になると俺はそれまでの営業からカスタマーサービスに異動になり、同僚とは休みを合わせづらくなってきた(営業は基本カレンダー通り動くがCSは日祭日は基本出勤)

それまでは同僚と1~2か月に一回は山行してたんだが、その年はGW明けに一回行ったきりで夏を迎えることになった

657: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
うちの会社は夏休みが一週間取れるが、自分は結局お盆明けでしか夏休みが取れず一緒に行ける人が見つからなかったため今回は単独で山に行くことにしたんだ

さてどこに行こうかと考えた時、去年行った立山から見た後立山連邦の山々の美しさが思い出され、特に鹿島槍の双耳鋒の形の良さが印象に残ってたため、後立山連邦の鹿島槍に行くことにした

658: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
行く場所が決まったので、地図や資料を見ながら検討した
その結果、自分は歩くのが遅く日帰りだとキツいので種池山荘か冷池山荘に泊まる必要があるということがわかった(当時は知識が無く赤岩尾根は考慮外だった)

でも一泊二日だと折角の夏休みなのにもったいないなと思い、もっと欲張った山行計画を立てることにしたんだ
それで、鹿島槍からさらにもう一つの百名山の五竜岳を加えて縦走する計画を立てた

659: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
計画は一日目が扇沢から冷池山荘まで、二日目が冷池山荘から五竜山荘まで、三日目が五竜山荘からアルプス平まで
んでアルプス平から電車とバスで扇沢まで戻ってくる計画です

660: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
自分の立てた計画で大丈夫かちょっと不安だったので、自分のレベルを知ってる同僚にも意見を聞いてみたんだが、基本的にまあ大丈夫だろうとのことだった

自分は背が低く歩くのが遅いけど普通の人よりガッチリしてて体力・持久力があるのなんとかなるだろwとのこと
ただ、次の点に注意して行ってこいとのことだった

663: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
冷池山荘まで行ったら、ラジオやスタッフに聞いて明日以降の天気を確認し、少しでも悪くなるようなら鹿島槍で引き返すこと

天気がいい場合、キレット小屋に着いた時、残行程の所要時間を多めに見積もり、五竜山荘まで無理そうなら絶対無理しないでキレット小屋に泊まること
単独行なので装備や食料などを軽量化して体への負担を抑えること

664: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
そんなこんなで準備を整え車で出発した
初めての単独テント泊で気分も高揚しつつ、初日は扇沢で車泊
明るくなってから歩く予定だったがウトウトして目が覚めると三時近かったので、自分は歩くの遅いしここでうだうだしててもしょうがないなと思い、ヘッドライトを付けて出発することにした

665: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
途中、種池山荘、爺ヶ岳を経由して、11時頃に冷池山荘に到着した
受付でテント泊の申込をし、テント場に行ってみると、一張あるだけだった

自分もいいロケーションの場所にテントを張って中にもぐり込んだ
昨日はあまりよく寝てなく、ここまでの行程も正直しんどかったので、気の遠くなるような心地よさから15分くらいうとうとした
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参考:https://goo.gl/2Yn8nP

666: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
その後、明日の天気を聞いてこないといけないなと思いだし、ついでに明日の水の準備も兼ねて山荘に行こうと思いテントを出た
すると、自分のテントのすぐ隣にちょっと色の褪せたオレンジ色のテントが張ってあったんだ

667: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
その時すこし当惑したのは、テント場がまだガラガラなのにすぐ隣に張ってあったから
普通、例えば電車なんかに乗る時でも、車内がガラガラなら、近くに座る時でも一人分空けて座るじゃないですか

なので、ちょっと当惑したんだが、よく考えるとどうせこの後テント場は埋まってくるだろうし、なら最初からいい場所に張っておいた方がいいわなと思い、まあ、そういうことだろうと思った

670: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
自分がそんな感じでちょっとその場に立っていると、テントの中からひょいと浅黒く日に焼けた顔が出てきて、「こんにちわ、よろしくね」と言ってきた
三十半ばの目元が涼しい感じの人だった
イメージとしては松岡修造をごつくしたような感じかな
自分もこんにちわと言うと相手の顔が引っ込んだ

682: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
(続きです)

冷池山荘で明日の天気を聞くと、予報は晴れとのことだった
密かに心の中でガッツポーズしながら水を買い、テント場に戻りってテント内でラジオを聴いたり外を眺めたりした

そのうちに、テント泊の登山者が大勢来て、自分のもう片方の隣にもテントが張られ、先ほど挨拶したテントの人のことも忘れてしまった

683: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
そのテントの人のことを次に思い出したのは夕食を作る時だ
テントの外で夕食を作っている時、そういえばこの間隣から全く気配がないことに気づき、山荘の方にでも行ってんのかなと思った

結局夜になっても隣のテントには明かりがつかず、いるのかいないのかよくわからない状態だった

684: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
次の日、4時に起床し、テントを畳み食事を取り、パッキングした後山荘のトイレに行った
この時隣のテントはまだそのままで寝てるようだった

山荘から戻ってくると、そこにはテントを畳みパッキングを済ませた隣の人が石の上座ってこっちを見てた
そして、「今日はどこまで行くの?」と聞いてきた

685: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
自分は「五竜山荘を予定してます」と言うと
隣のテントの人は自分と同じだと言い、よかったら一緒に行かないかと聞いてきた
又、自分はSといいますと名乗ってきた

687: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
すぐに返事をしなかったのは、Sという人がよくわからないというのもあるが、明らかにベテランだったことが大きい

昨日のテントの傷み具合からも薄々わかっていたが、今日見た登山靴やザックの使用感からも、また均整のとれた格闘家のような隙の無い体躯からも相当やり込んでることがわかった
前にも書いたが自分は歩くのが遅くSさんと一緒に歩いても足でまといになるのは明らかだった

また自分もSさんに迷惑をかけないようにしなければと無理な歩き方をするのも嫌なので、自分はまだ初心者で歩くのが遅くSさんに迷惑をかけてしまうこと、今回は自分のペースで歩きたいことを伝え、丁重にお断りした所、Sさんも快く納得してくれた

688: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
この後、Sさんが出発して自分も後を追うように出発した
Sさんはやはりベテランらしく、すぐに二人の間はどんどん離れて、しばらくしてふと目を上げた時にはSさんの青いシャツは視界から消えていた

689: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
やがて布引山を通り、鹿島槍南峰に到着した
登りがきつかったので息を整えながら、ふと、Aさんはもう行っちゃったかなと思い、山頂にAさんの姿を探したが無かった
その後、標識のある所まで移動した時、後ろから不意に声がかかった

「お疲れさん」
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参考:https://goo.gl/8iU1gS

690: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
Aさんだった

「あれっ、Aさんじゃないですか、もう通過したと思いましたよ」と自分が言うと、Aさんは、「ああ、途中ダラダラしながら来たからね」と言った
自分は布引山は止まらずにそのまま通過したので、この辺でAさんを追い抜いちゃったのかなと思った

691: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
イニシャル間違えましたA→Sです

692: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
新しい登場人物 A を前のレスから探してしまったじゃねーか><

693: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
オレもオレもw

694: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
その後、Sさんは地図を見せながら、ここから先はこの辺はこうなっててこの辺にこういう危険があるとアドバイスをくれると、じゃあと言って先に行ってしまった

自分は目的の一つの鹿島槍に来た感動に浸りながら、立山・剣を見て昨年の山行に思いを馳せながらしばらく休んだ

698: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
南峰を後にして、重い装備に閉口しがら北峰を経由してキレット小屋までなんとか無事につくことが出来た
時刻は10時だった

ここからはコースタイムは5時間、余裕を見て6時間とすると午後4時頃に五竜山荘につくことになる
体は正直少ししんどくなってきてるけど、こんな日の高い内に行動を終わらすのもなあと思い、五竜に行くことにした
5
参考:https://goo.gl/q5QKW3

701: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
難所のキレットを越えたので、ここから楽になるかと思いきや、岩稜のアップダウンや痩せ尾根の通過などが沢山あり全く楽にならない
また晴天で太陽がジリジリ体を焦がす中、重い荷物を背負ってヒイヒイいいながら一人で五竜を目指した

704: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
やがてキレット小屋から五竜までの三分の二程行った所だろうか
稜線上に比較的に大きめの平な地形があり、ザックを下して休憩を入れることにした

座ったまま改めて周りを見ると広大な風景が広がり、体は太陽に焼かれながらも周りの音は全く聞こえず、そこは一種独特の現実離れした世界だった

707: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
ボーっとしながら体を休めていると、不意に後ろから声がかかった

「お疲れさん」

709: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
驚いた
この時は本当に驚いた
ギクっときた
振り向くとSさんが立ってた
Sさんの顔を見ながらしばらくは声が出なかった
「あ、あれー、Sさんじゃないですか、まだこんなとこにいたんですか」

712: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
Sさんは時間的に余裕があるんで道草しながら歩いてるよって言った
その後、Sさんは自分の隣に座って、二人で剣を見た

714: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
太陽がガンガン照りつけているのにSさんが座ると周りから温度が無くるような感覚を覚え汗が引いていくような感じがした
多分、驚いたので体の感覚が麻痺してそう感じるんだろうと思い込んだ

718: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
自分はSさんに聞かなきゃいけないことがあるのを感じつつも心身共に疲労感を感じ、また聞くのがはばかれるような雰囲気を感じてそのまま黙っていた

道草ってどこでしたのか?道が分岐した所があったけどあそこか?
それより声かけられるまでAさんというか人の気配が全く感じられなかったのはなぜだろう?自分が疲れているからか
どこでAさんを追い抜いた?キレット小屋?分岐?

心の中はめまぐるしく動くがおっくうで行動に移せない感じだった

719: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
A さん再登場か!!!

720: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
Aさんの存在が謎だな!

721: 名無しさん 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN
イニシャルS・Aさんって事にしとこうな

751: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
結構真面目に体験談書いてるんでそのつもりで読んでくださいね(じゃなきゃこんな長文書きません

(つづき)
少し休んだ後、Sさんは地図を出してここから先はこんな感じで、この辺にこういう危険があるよと言うと、じゃあと言って歩いて行った
自分もSさんの後を追い出発した

今度は意識的に先を行くSさんから目を切らさないようにした
にも関わらず、しばらく尾根道を歩き、尾根から降りる時に体を反対向きにして下りてふと前を見るとSさんは既に視界から消えていた

この時初めてSさんについて何かがおかしいということが獏としてるけど確信的なものとして自分の意識の上に上がって来たんだ

752: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
この後急にガスが出てきて、疲労に耐えながら五竜頂上に行った時は視界がかなり悪くなってた

五竜からの景色を諦めてすぐに下り、視界の悪さに悩まされながらも色とりどりの五竜山荘のテント場が見えてきた時は苦しい今日の行程の終わりに歓声を上げたくなった

山荘で受付を済ませてテント場に行った
自分のテントを張る前に自然とSさんのテントを探した
普通ならSさんの方が先に来てるはずだがやはりSさんのテントは無かった
またどこかで道草してるんだろうか
6
参考:https://goo.gl/q5QKW3

753: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
五竜山荘のテント場は段々畑のようになっていて、自分は三段目に場所を確保した
テントを張って水を汲みに上に上がった時、迷わないように自分のテントの位置を確認してから水場に行った

その後、ふと、もしかしてSさんは今日小屋泊まりにしたのかなと思い、山荘のスタッフにSさんという人が山荘に宿泊してないか聞いてみた
スタッフは宿帳をざっと見て、Sさんという人は来てないねえと教えてくれた
それを聞いて自分のテントに戻ったんだが、戻る途中で自分のテントの場所を見て一瞬ギクっとして足が止まった
7
参考:https://goo.gl/XxGzVD

754: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
冷池山荘で見たSさんの少し色あせたオレンジ色のテントが自分のテントの脇に設置してあるではないか
頭の中が混乱したまま、恐る恐る自分のテントに戻ってくると、気配を感じたのかテントからひょいとSさんが顔を覗かせて「お疲れさん、今日は頑張ったね」と言った

756: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
自分は顔がこわばってたと思うが上ずった声で「お、お疲れさま」と返し、急いでテントにもぐり込んだ
テントの中で悪い風邪を引いた時のようなぞわぞわ感を感じながらこの間感じたSさんの不可解な行動について考えた

758: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
自分はテントを設置した後、水を汲みに上に上がり、上で自分のテントの位置を確認した
その時、自分の隣にテントは無かった

その後、水を汲み、スタッフにSさんが小屋に泊ってないか確認してもらった
戻って下を見たらSさんのテントが自分の隣にあるのが設置されてるのが見えてSさんは既にテントの中にいた
テントが無いのを確認してからSさんのテントを見るまでは5分も経ってないと思う

無論、Sさんのようなベテランなら物理的に5分もあれば設置は出来るだろう
でも何かおかしい 受付は?なぜそんなに急ぐ?
日が落ちて気温が下がるにつれて冷たい空気を体に纏っているような気分になってきた

761: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
日暮れの中で夕飯を作って食べた
Sさんのテントからは昨日と同じように中で動いたり、食べたりしてる気配は無かった

夕飯を食べた後シュラフにくるまって今日一日の出来事を考えていたが、Sさんがすぐ隣にいるかと思うとなぜか落ち着かない気分だった
自分の理解出来ない不可解な事実を突きつけられているみたいで時間が経つにつれ正直怖くなってきた

そして夜の7時頃恐怖に耐えきれず、小便に行く振りをして山荘に行って、スタッフにテントの中で水を大量こぼしてシュラフを濡らしてしまったので小屋に泊めて欲しいと伝え、お金を払って小屋に泊まることにした

その日は土曜なので結構混んでてオヤジ達と肌が触れあうような状況だったが、これほど人肌の暖かさをありがたく思ったことはなかった

762: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
次の日、朝5時半頃に起きて食事をして、恐る恐るテント場に行ってみるとSさんのテントは撤収されていてもう出発したようだった

心中安堵しながら自分もテントを撤収して、遠見尾根から下山を開始した
途中でSさんと会うかもと思うと、なぜか急に怖くなり、6人くらいの中高年のパーティが丁度下山するので、それにくっついて下山することにした

764: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
しばらくはそのパーティにくっついて下山したが、登山道の傾斜が緩やかになってくると中高年パーティのスピードが上がって歩くのが遅い自分はついていけなくなってしまった

しかし、この辺まで下ると、気温も上がり、空気も濃くなって下界が近くに感じられるようになって、出発前のびくついた気持ちもだいぶ和らいてきていた
長かった山行のゴールも近いことが感じられてきて、鼻歌でも歌いたい気分になりながら樹林帯の中の曲がった道を抜けて開けた場所に出た時、不意に心臓を鷲掴みされたような気分になった

767: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
視界の先に青のシャツを着たSさんがじっとこちらを見ながら小さい岩の上に座っていた
足が止まった
しばらく動けなかった
言葉も出なかった

Sさんが「お疲れさん」といい、自分も「お、お、お疲れさん」と返して初めて少し金縛りが解けた
そのあと、Sさんと2、3分話たと思うんだが、何を話たんだが全くと言っていいほど覚えていない

覚えているのは、話の途中でAさんが遠くの稜線を指して「俺は昔あそこから落ちたことがあるんだよ」と言ったことと、話の最後に少し寂しそうに「俺はここでしばらく休んでいくからお先にどうぞ」と言ったことだけだった

768: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
A→Sさんです
キーの位置が近いので押し間違えてしまう

769: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
自分は促されるように歩き始めたが、20歩くらい進んだ時、なぜかSさんと話足りてないような気持ちになり、もう少しSさんと話たくなった
でも振りむいた瞬間、Sさんが消えているような気がして、怖くて振り向かずにそのまま下山した
そこからアルプス平まではもうSさんに会うことは無かった

772: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
長々と書きましたが以上が自分の登山歴の中で一番不思議な体験です

その後、北アルプスの色んな場所を歩き、今回のルートももう一度歩いたことがありますが、今日まで二度とSさんに会うことはありませんでした
不思議な体験と思ってますが、物理的には説明可能であり、オカルト的なものと結論付けるつもりはありません

ですが、あえてこの不思議なことに意味を持たせようとするなら、もしかするとSさんは後立山連峰で亡くなられた方で、今回の山行で素人っぽい自分が重い荷物も持ってヨタヨタ歩いているのを心配して一緒に付き添って歩いてくれたのかも知れません

なお、後で調べて分かったことですが、今回、遠見尾根の途中でSさんが指さした方向の稜線で過去冬に遭難がありSさんと同じ苗字の方が亡くなられていたことを付け加えておきます

775: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
>>647

一般人の霊体験て、怖いというよりも不思議だなあ、片だなあということが多い希ガス

777: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
>>772
乙です。
たいへん興味深いお話でした。

Sさんが指した方向の稜線の先は十字峡でしょうか?

778: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
高野聖のような話だな。
怖っ…

779: 名無しさん 2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN
怖いというより感動系って感じなのかな。

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