霧が立ち込める山

779: 名無しさん 2016/01/16(土) 19:08:00.17 ID:iaLno1b70.net
車中泊


車中泊が好きで、あちこち回ってる。
最大のメリットは、宿泊場所を選ばないこととすぐに移動できること。
できればSAや道の駅を利用することにしているが、
その日は、ちょっと暑かったんだ。

平地では寝苦しくなることが予想されたので、一夜の宿を求めて山へ向かった。
標高の高いところならば比較的涼しいかなって、これは経験から。
とはいえ、人家がまるでないような山中はさすがに怖い。

20kmぐらい登ったかな?小さな集落のはずれに、公園のようなものがあった。
街灯がないため、はっきりとは分からないが、数台分の駐車スペースがある。
たぶん公園だろう。
人家の灯りが見えるのは心強い。ここを宿に決めた。

シートを倒し、カーテンを取り付け、マットを引いたら出来上がり。
暑いのでタオルケットを被り、スマホ眺めながら横になった。
長時間運転していたので、すぐに眠くなる。




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780: 名無しさん 2016/01/16(土) 19:09:48.26 ID:iaLno1b70.net
何時ごろだろうか、小さな物音で目がさめた。
ガサガサというかゴソゴソというか、車の周辺に気配がするんだ。
カーテン越しにぼんやり映ってた人家の灯りは消えている。
車が通る音も聞こえない。
カエルや虫の声はかすかに聞こえるが、それらとは異質の気配だ。

警官の職質だろうか?それとも近所の人が不審に思ったのか?
そういうケースなら懐中電灯でこちらを照らそうとするものだ。
起き上がって怪しい者ではないことを説明しなければならない。

だが、灯りはまったくない。真っ暗だ。
ガサガサ、やっぱり音がする。
地面を這ってるような、車を撫でているような、そんな音。
それだけではない。「ぅぅぅ」といううめき声みたいな声が小さく聞こえる。
おれはパニック状態に陥った。

781: 名無しさん 2016/01/16(土) 19:12:34.30 ID:iaLno1b70.net
まんじりともせず体を固くして、眼だけはカーテンのほうを見ていた。
するとカーテンが揺れた。風かな?風が入るように少しだけすべての窓を開けている。

だけど、風になびくのとは明らかに違う。
風なら全体がなびくのに、上部だけが盛り上がるようにして揺れている。
しかも、左側だけでなく右側も、同じように揺れ出した。
違う、これは揺れているんじゃない。
空いてる窓の隙間から、誰かが何か(棒?指?)を差し込んで突いているのだ。

限界だった。叱られても構わない。110番しよう。
スマホの灯りでパッと周辺が明るくなった。
すると、音がピタッとやんだ。カーテンの揺れも徐々に収まった。
え?なに?なんだよ!気配は完全にやんだ。
カエルと虫の合唱だけがのどかに響く。

おれは勇気をふりしぼって運転席へ移動し(運転席は倒していない)、
エンジンをかけ、パワーウィンドウですべての窓を閉じた。

782: 名無しさん 2016/01/16(土) 19:15:01.50 ID:iaLno1b70.net
異常はないが、もはや暑さどころじゃない。
よし!逃げろ!ヘッドライトをつけてから、バックシートにもどりすべてのカーテンを引っぺがす。
何もない!ないことにしよう!絶対なにもない!

再度運転席に戻る。駐車場を飛び出すと、少しだけ落ち着く。
しばらく山道を下ると、コンビニが見えてきた。
とにかく人に会いたかった。おれは迷わずコンビニに飛び込む。

「いらっしゃいませ!」元気な声がする。
涙がでるほど嬉しい。だが、店内に入るなり泣き出す男がいたら不審者だ。
おれはできるだけ平静を装った。
しばらく店内を回ったらようやく気分が落ち着いてくる。

カプチーノとビール(もう帰る!帰ってから飲む!飲まなきゃ眠れない!)とつまみを買った。
勘定を払いながら、店員に聞いてみる。

783: 名無しさん 2016/01/16(土) 19:17:40.58 ID:iaLno1b70.net
「この先の公園、もしかして、昔、何かあったの?」
「はぁ?」きょとんとしている。
「2~3キロ先で、分かれ道を左に曲がったすぐ先」
「・・・ああ」納得している様子だ。

「○○円のお返しです。えっと、あそこは公園じゃないです。」
「え?」今度はおれがきょとんとなった。
「慰霊碑です。10年ぐらい前の大雨で、土砂崩れが起きて、あの辺りの家が何件が埋まったんです。」

おれは無言で商品を受け取ると店を出た。
「あ・・・」つい声が出る。降りるときには気がつかなかった。
店の灯りに照らされた愛車を眺めると、
ボディも窓も、うっすらと泥で汚れていて、
いたるところに泥の手形がついていた。

785: 名無しさん 2016/01/16(土) 20:00:54.90 ID:Or1NT1vY0.net
いやいや面白いよ
俺も近年の車内泊ブーム以前からの車内泊派だから
この状況がよくわかる
少なからず車内泊を知らんとこの文章は書けんわ

人が多すぎるところは寝ずらしい、少なすぎると怖くて寝にくい
だから俺はSAよりトラックが泊まってる道の駅派

タオルケット常備とはなかなかやるね
多分お風呂セットも常備だろ?いいねえ

俺は水が流れる音が誰かが喋ってるように聞こえて怖かった思い出があるからこの気持ちよくわかる
一人だと逃げ出したくなるわな
暗がりだと柳が揺れる音も怖い上に曰く付きと言われればなおさら怖い

794: 名無しさん 2016/01/17(日) 08:43:59.49 ID:hQrb6NaN0.net
この前、山のなかで石が積んであるの見かけたんだけど、あれ何だったのかなあ
ボーイスカウトが、仲間への連絡に石を積んでサインにするって聞いたことあるけど、ずっと大きい

直径が20cmぐらいで土台が組んであって、あとはピラミッドみたいに円錐形になってる
それが中央後方にあって、左右両側の手前に、一回り小さいのが一つずつあった

遊びやイタズラにしちゃ手が込んでる
全体が黒ずんでるのは、もしかして血?
何となく全体的に禍々しい雰囲気だったので気になる

797: 名無しさん 2016/01/17(日) 10:25:55.40 ID:7iopvCM80.net
>>794
ケルンとは違うの?

798: 名無しさん 2016/01/17(日) 10:34:03.01 ID:7iopvCM80.net
山頂を示したり道するベとして登山家が石を積み上げることをケルンというんだが
弔いのための石積みもあるし、見よう見まねで同じように、あとからあとからと積み上げる人もいる

804: 名無しさん 2016/01/22(金) 04:26:15.28 ID:ic18+bZv0.net
怪談話

中学時代に林間学校、キャンプファイヤーも終わって各自の小屋に入って
就寝時間までの暇つぶしに怪談話になった

その中のとある一人が「部活の先輩から聞いたんだけどさ」って切り出した話が面白かった

夜ここの便所(外にある)に入ってると黄色い帽子に赤いセーターの男の子が後ろに立ってることがあってそんな時怖がったり叫んだりすると連れてかれちゃうらしい、そんな時は「よしおくんよしおくんおかえりなさい」と言うと、スーっと消えて助かる。って話

正直信ぴょう性は無いにしろやっぱ怖いじゃん、現場にいるわけだし
中学生くらいはそういうレベルで怖がれたもんだよな

で、就寝時間になってしばらくすると友人がトイレに行きたいと言い出した
迷うから付いてきてくれと
怖がってるだけだろと思ったが俺も小便したいので付いてった

用を足して外で友達を待ってると薄暗い月明かりの中ザザザと5~6歳くらいの子供っぽい大きさの人影が近づいてくる
え、怖い、よしおくんか?
慄いた俺は友達をおいてすぐさま小屋に戻って布団被ると妙に安心して友達のことも忘れいつの間にか寝てた

翌朝、起きてきた友達に「先に戻ってゴメンな、実はさ…」と言いかけると「は?」って顔
友達の話では用を足して外に出ると俺が居ないので仕方なく小屋を探し歩いてると
いつの間にか横に俺らしきサイズの人物が寄り添って歩いていて彼を追い抜いた
その人物を俺と思った友達はその人の後ろに付いてこの小屋に戻ってきたという
友人が何を語りかけても一言も発せず先導するように小屋に戻るので俺が怒ってるとばかり思ってたらしい

友人に寄り添って無言で小屋に届けたのはこの世のものなのだろうかね

828: 名無しさん 2016/01/24(日) 11:28:04.73 ID:Ukvt5xFF0.net


山の天気は変わりやすいけど
真夏の西日本の低山で雪が降ったりはしないよね
でも、西日本のとある山に行った時にびっくりしたことに雪が降った

バイクで行くので前日の夜に登山口のある路肩に入ってテント泊なんだけど朝テントを片付けて登り始めてから少し寒いかなあとは思ってたんだけど

1時間登ってひと休憩いれてると先の道に黄色のパーカーを着た人物がこちらを背に登ってるのが見えた
あれ?登山口には誰もいなかったはずだが先行者がいたんだな

それとチラチラと白いものが降ってきた
雪だった
是非ともこの雪を黄色の彼と共有したいとすぐに出発
暫く歩いてると雪は無くなってた

頂上までは1時間弱、縦走するには不便な山なのできっと頂上で逢えるだろうと道を急ぐ

はたして頂上にたどり着いた
まあ他の話に漏れず誰もいなかった

そもそもいくら低山とはいえそこなり本格的な山、トレイルでもないならリュック無しで歩くような人はいないよな
何かの見間違えかとも思った

後になって、そういえば彼が見えたほんの一時だけ雪が降ったんだなあと改めて思った
怖いというより不思議な話

846: 名無しさん 2016/01/29(金) 00:38:04.96 ID:Lj0pahDj0.net
錫の音

爺ちゃんちの裏山に入るたびにどこともなくシャンシャンって錫の音が聞こえてて「あの音なあに」って聞いてもなんとか鳥の鳴き声だとかカエルの声だなんて大人には聞こえてないようだったね
まあ自分も大人になってからはすっかり聞こえなくなってた

でも、ある日
姪っ子たちと一緒に裏山に入ってると自分と同じように「あの音なあに」って言い始めた
「お、もしかしてシャンシャンって音?」ってきくと
やっぱりそうだと

なんだか懐かしいような嬉しくてさ
どこから聞こえるかとか聞いてみるとこっちといって奥に向かう
そこにあったのは多分うちの家系の古い墓

申し訳程度の石枠と丸く大きめの墓石だけが横倒しに転がってた
もう誰も覚えてなく何十年とそのままにして打ち捨てられたようだった

翌日、特に誰に言うとでもなくお花とお酒を買ってその墓を訪れると
昨日は土中に埋まってたはずの墓の土台に墓石がキチンと乗ってる
心なしか墓石も綺麗になってるようだった

不思議と怖くはなかった
翌週、不思議な夢を見た
背の低い痩せた老人が必死にの腹の当たりを指差して訴えてる

何度も何度も、繰り返し繰り返し
声はチューンを合わせきれてないラジオのように大きくなったり小さくなったりして内容は聞き取れない

さらに翌週風邪で病院に行った際、何となく気になって見てもらう
他にも色々な偶然が重なって腸の動脈に詰まりかけているのが見つかった

腸管動脈閉塞だかという名前の早期発見されなければ強烈な痛みが自覚症状で発症すれば急速に悪化し最悪死に至る病だとか
すぐに治療し事なきを得た

なんとなく一連の出来事はあの裏山から始まってるような気がする

山怪 山人が語る不思議な話

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【山×コーヒー】俺は毎回ガリガリ豆挽いてパーコレーターで淹れて飲んでる。カスの処理が面倒臭いけど…

登山趣味にしたら金が嵐のように飛んでいってワロタwwww

横尾とワサビ平まで自転車OKにして欲しいわ。地面への負荷を考えて道路をちゃんと整備した上でサイクリングコースにしたらええのに。

登山中に死体を見つけたんだが・・・

【北アルプス】去年から近所の山で登山を始めたから写真貼っていく

避難小屋はあくまでも避難用ということを知らない人たちって多いんだねえ。

【問題】世界一高い山は「エベレスト」ですが、「世界一低い山」はどこでしょう?????

自宅の服装と山での服装が変わらなくなってきた...ベッド捨ててシュラフで良いような

涸沢でテント泊したいと考えている夫婦ですが、モンベルの”ステラリッジ3型”だと大きすぎでしょうか?

アトモス50買って満足してるけど、イーサーみたいに取り外した雨蓋がリュックとかになればなお良かった

引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1437217933/

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