霧のかかる山

21: 名無しさん 2006/09/05(火) 23:52:41 ID:Q+lLElL70
山仕事中に見かけた人影

聞いた話

Kさんという人が林道端の一軒家に住んでいた。
畑で野菜を作ったり工事現場の作業員などもしながら
代々引き継いだ山で、70歳くらいまで山仕事を続けていた。

ある日、山で一仕事終えて一服している最中に
斜面の下にある作業道の方へ何気なく目をやると
道端に停めた軽トラックの脇に立っている人影が見えた。

距離がありすぎて細かいところは良くわからないが
サイドウインドウから車内を覗き込んでいるように見える。

悪戯されたら困ると思ったKさんは、車の方に向かって
「オォーイ!」と大きな声で呼びかけた。
すると、人影は頭の向きを変え、じっとこっちを見てる様子。

「俺の車に何か用か~」Kさんが再び問いかけると
人影はおもむろに作業道を外れて歩み出し
向こう側の斜面を下って木立の中に消えた。

Kさんは、荷物をまとめて山を下りると
乗り込む前に軽トラの周りをグルリと回ってみたが
とりたてて異常はなかった。
ウインドウに脂っぽい手形が幾つかあったものの
ドアの鍵は掛かったままで、弄られた形跡はない。

荷台に荷物を放り込むと、鍵を開けて車内へ。
エンジンをかけて作業道を下り始めた。

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22: 名無しさん 2006/09/05(火) 23:54:21 ID:Q+lLElL70
未舗装の道にガタゴトと揺らされるうちに
助手席のシート下から何かが転がり出てきた。
車を停め、ソレを拾い上げる。

30センチほどもある木彫りの人形のようなもの。
荒削りで細工はほとんどなされていなかったが
一カ所だけ、目があるはずのところに
小さな×印が二つ刻まれていた。

もちろん、今朝までは車内にそんなものは無かった。
しかし、山を下りた時に鍵は掛かっていたし
あの人影が車内に放り込んだとも思えない。

気味が悪いと思ったKさんは
帰る途中の谷に人形を放り投げて捨ててしまった。

23: 名無しさん 2006/09/05(火) 23:55:06 ID:Q+lLElL70
その日以来、軽トラックに乗っていて妙なことが起こるようになった。

灰皿に枯れ葉や土がぎっしりと詰まっていたり
脂っぽい手形が助手席側のウインドウの内側についていたり
雨の日には助手席のシートがじっとりと濡れていたり
車内に置いてあった新聞紙がビリビリに破られて散乱していたり

車を離れる際はきちんと施錠しているにもかかわらず、異変は続いた。

そんなある日、山仕事の最中に竹の地下茎に足をとられたKさんは
転んだ拍子に斜めに切った竹で両眼を突いて失明してしまった。

24: 名無しさん 2006/09/05(火) 23:55:50 ID:Q+lLElL70
目が見えなくなったKさんは、林道端の家を引き払い
麓の町で息子夫婦と供に暮らすようになった。

今では、林道端の家は借り手もつかぬままに廃屋となり
軽トラックも車庫に放置されたままになっている。
とりたてて派手な怪異騒ぎは起きていない。

ただ、一度だけこんなことはあった。

近くの集落に住む小学生が、夕暮れ時に廃屋の前を通りがかった際に
一緒に歩いていた父親に「軽トラックの中に人がいる」と言い出した。
怪訝に思った父親が軽トラの方を見たが、誰も乗っていない。

見間違いだろう、と思ったが、子供は「本当にいた」と言い張る。
どんな人だった?と聞くと、少し考えた後に「わからない」と返答し
「…でも、真っ白な目でこっちをじっと見ていた」と言い足したそうだ。

28: 名無しさん 2006/09/06(水) 01:16:24 ID:rQJYA9pb0
>>21->>24
これは怖い・・・
放置されたとはいえ、軽トラの中にいるということはまだ何かあるんだろうか

26: 名無しさん 2006/09/06(水) 00:54:16 ID:XuNArkke0
こわいやんけ

27: 名無しさん 2006/09/06(水) 01:16:12 ID:rQo1v45I0
乙。なんだろうね。その木彫りの人形が守ってたのかな逆に

45: 名無しさん 2006/09/07(木) 07:30:30 ID:pdqQMJfo0
ちんむしゃ

私は小さいころ、悪いことをするとよくおじいちゃんに
ちんむしゃからからが来るぞと言って叱られました。
小学生になり、ちんむしゃ某が効かなくなり、
逆にちんむしゃってなんやねんと突っ込むと、
おじいちゃんがしてくれた話は、またしばらく効き目を続行させたのでした。

おじいちゃんが戦友から聞いた話です。
 
おじいちゃんの戦友(仮に鈴木さん)の奥さんは、
鈴木さんが兵隊に行ってる間、
2人の息子さんを連れて、親戚の家に疎開していたそうです。

親戚は山の方で小さい民宿のようなものをやっていて、
その部屋に寝泊りしながら、仕事を手伝って暮らしてました。

鈴木さんの上の息子さん(仮に勝美くん)は、
ある日山の中で一人で遊んでました。
遊び疲れて一息いれながら、
本当に勝ってるのかわからない戦局や、
こんな暮らしがいつまで続くのかとか、
いろいろ不安になって一人で泣いてたんだそうです。

そのうち時間が気になって、そろそろ帰ろうとしたのですが、
慣れない土地のため迷ってしまいました。
来た道と全然違うところに出てしまい、焦って歩いてるうちに、
平らな広場のようなところに出たんだそうです。

そこは20畳くらいの広さで、草が生えておらず、
すぐ周りは手付かずな森なのになんだろうここは…
と思ってると、その広場の隅におかしなものを見つけました。

46: 名無しさん 2006/09/07(木) 07:32:40 ID:pdqQMJfo0
おじいさんがお腹を抱えるようにうずくまっているのです。
土の上に正座して、そのまま前に倒れたような格好です。
うずくまってるので顔は見えません。
具合が悪いというより、その姿勢のまままったく動きません。
まるで気配がなく、異様な感じがしました。

勝美くんは、怖かったのですが、
一人で迷子になって心細かったのもあって、声をかけようと近づきました。

おじいさんはいきなり顔をあげました。そして

「ここでなにしてるんだ!ちんむしゃからからが来るぞ!」

と大声で叱り付けたのです。
顔をあげたおじいさんは目が見えないようでした。
目をつむったまま、腕を振り上げて、

「早く帰れ!ちんむしゃからからに見つかるぞ、帰れ帰れ!!」

おじいさんは、怒鳴りながらも立ち上がろうとはしません。
足も悪いようでした。
あとで考えると、このとき他の行動もとれたし、
数々の疑問も解けたかもしれないと悔しがってたそうなんですが、
このときの勝美くんはとにかくおじいさんの凄い剣幕にびっくりしてしまい、
言われた通りにあわてて逃げ帰ろうとしたのです。

47: 名無しさん 2006/09/07(木) 07:33:14 ID:pdqQMJfo0
パニックになってた勝美くんは、自分が迷ってたのも忘れて
山の中を走り回りました。
どこをどれだけ走ったのか思い出せなかったのですが、
木の枝や草のつるがやたら体に絡んだことは覚えてました。

それを振り払いながら走り続けるうちに民宿の裏手が見えました。
気づけば日がかなり暮れていました。

民宿に帰って、一部始終を話すと、
心配して待ってたお母さんにただの言い訳だと思われ、
よけいに叱られました。
勝美くんもやっぱり自分がおかしいのかもと思いました。
 
でもなんだか背中がむずがゆい。
勝美くんに言われて服をめくったお母さんが、
 
「あんた何してきたの?」

勝美くんの背中には、黒い小さな手形が無数についていたそうです。
勝美くんは一人で遊んでいたので、そんな手形がつくはずないのです。
それを見た親戚はなぜか勝美くんの背中に手を合わせて拝みました。


ちんむしゃからからは結局なんだったのかよくわかりません。
よくわからないのに怯えていた幼かったあのころがなつかしい。

49: 名無しさん 2006/09/07(木) 07:43:15 ID:r9cCpupc0
ちんむしゃ からから
   ↓
小さい武者 来る来る

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