霧がかかる森

204: 名無しさん 03/12/23 00:50
白い煙

知り合いの話。

彼女が幼い頃、子ども会のキャンプに参加していた時のこと。
夕食の準備をしている皆の頭上に、白い煙が漂っていたそうだ。

彼女の目はそれに釘付けになった。
煙の中に隣家の小父さんの顔が浮かんでいたからだ。

見ているうちに、煙の顔はいろいろと移り変わっていった。
笑っている彼女の母親の顔や、何かしゃべっている知り合いの小母さんの顔。

怒っているような友達の父親の顔に、きょろきょろしている子ども会の会長さん。
どうやら、その場で働いている大人の表情を、一つ一つ真似しているようだった。

やがて煙の顔は、彼女に己の姿が見えていることに気がついたらしい。
見知らぬ男の顔になると、目線を彼女に向けウインクを一つした。

次の瞬間、煙は散り散りになって消えてしまった。
怪しい煙に気がついたのは、彼女一人だけだったそうだ。

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205: 名無しさん 03/12/23 00:52
歩き出した鍋

友人の話。

研究調査のため、一人でキャンプしていた時のこと。
夜中にラーメンでも作ろうと鍋を探していると、奇妙なことが起こった。

取ろうとした鍋が足を生やして、するすると歩き出したのだ。
よく見ると、何か猫みたいな小動物が鍋をかぶって歩いていたらしい。

本体を見てやろうと、手を伸ばして鍋を持ち上げた。
鍋の中は空っぽだった。
驚いている視界の隅に、足を覗かせた登山帽が逃げ出そうとするのが見えた。

慌てて帽子を取り押さえたが、やはり中には何もない。
顔を上げると、妙に膨らんだ上着がテントからトコトコ出て行くところだった。
急いで後を追ったが、テントの外には風に吹かれる上着だけが残されていた。

今にいたるも、あの時正体を確かめられなかったのが悔しいそうだ。

266: 名無しさん 03/12/24 18:20
>>205
イイ!情景が目に浮かぶ気がします。

310: 名無しさん 03/12/24 19:16
>>266
私もこのお話は結構好きです。
怖いと言うより何か微笑ましいですネ。
ぶんぶく茶釜みたいな感じがしてオモシロイです。

206: 名無しさん 03/12/23 00:54
銅像の足首

知り合いの話。

彼は小さい頃、山奥の小さな小学校に通っていたのだが、他の学校と合併するため
中学に上がる直前に廃校にされたのだそうだ。

彼の学年は五人しかいなかったが、皆で校庭の銅像に記念を残すことにした。
二宮尊徳の足首に、鉄釘で各々自分の名前を刻んだのだという。

先日、十何年ぶりに当時の同級生が村に集まった。
学校の跡地は森林公園になっており、銅像も少女の像に変わっていた。

昔話に花を咲かせていると、いきなり仲間の一人が像の足元で声を上げた。
彼の指差す先を見ると、見知らぬ像の足首にすり減った文字が刻まれていた。
彼ら全員の名前だった。

誰が名前を移し変えたのだろうか。
不気味だったが、同時にとても懐かしかったのだそうだ。

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引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1071631841/

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