山並み

247: 名無しさん 2005/06/22(水) 21:14:00 ID:XcnGeg4X0
洞穴

この前、大分のとある山に登ったのよ。そん時の話。

昼ごろになって急に雨が降り出してきた。そしたらちょうど洞穴みたいなのがあって「ラッキー♪」と思いながら中に入った。

中は結構広くて奥まで続いているようだった。ちょっとした好奇心で「奥の方に行ってみよう」と思い、明かりを灯して奥の方に行ってみた。

しばらく進んでいると妙な事に気が付いた。「さっきから五分以上進んでいる。いくらなんでも長すぎないか?」

その時「ゴオォー」という轟音が洞穴の中に響き渡った。驚いた俺は大急ぎでもときた道を戻り始めた。

しばらく走ると明かりが見えて外に出た。雨は止んでいて外はいい天気だった。

疲れた俺はその場に座り込みしばらく空を見上げボーッとしていた。洞穴の方を見る気にはなれなかった。洞穴からはまだ「ゴオォー」という音がしていたからだ。

眠ってしまったらしく俺は見知らぬおじさんに起こされた。登っていると道端に俺が倒れていて眠っているようなので起こしたそうだ。

俺はおじさんに事情を説明した。するとおじさんは「洞穴?そんなもの私の知っている限りじゃこの山にはないよ」

俺は洞穴のあった所におじさんを案内したがそこにはなにもなかった。
俺が入った洞穴は結局なんだったんだろう・・・。

255: 名無しさん 2005/06/22(水) 22:33:50 ID:jaNXJ9Pz0
>>247
よくそんな洞穴にひとりで入れますね。他に人がいても怖いよ。
取り合えず無事でなにより。

過去ログの、ある日いきなりそこに出来ていた扉の話といい、
山に棲むなにかの仕業なのか、山そのものの仕業なのかと
興味は尽きません。

285: 名無しさん 2005/06/23(木) 09:09:18 ID:Q6BtyPPe0
>>247
ドコドコ、どこなんだよぉぉ~!オイラも単独縦走なんだ、
そこは1人で行かないor近づかないことにするからヒントプリーズ!

まぁ山の中では不思議なことって稀にあるけどな

296: 名無しさん 2005/06/23(木) 19:51:33 ID:XB2DrmpX0
>>285
大分の湯布院町にある山。洞穴を見つけたのは中腹ぐらい。近づいてどうなっても責任とれないから・・・。
あの後もう一回その山に行ったけどやっぱり洞穴はなかった・・・。本当になんだったんだろうあれは・・・。

356: 名無しさん 2005/06/25(土) 00:47:53 ID:nd5BeJdX0
生存者

道路端に置かれた花束。
テント場や山頂の煙草、缶ビール。
どちらも死者に捧げられ、供えられたものだ。

「いいんだよ、吸うのが供養なんだから」
その日の同行者は、そうした手合いだった。
それほど煙草に困ってる訳ではない。
ただ、面白がっているだけだ。

手にした煙草は未開封で、しかも見るからに新しい。
素早くパッケージを破り、煙草を取り出し、咥えた時には
すでに火がともされているほど手早い。
その日の同行者は、そうした手合いだった。

鋭い声がすっ飛んできて、それより早く手が飛んできた。
同行者の口から煙草を叩き落とし、小柄な男が唾を飛ばして食ってかかり、
テント場に居合わせた連中は、びっくりしてこちらを伺っている。

食ってかかっているのは、管理人の手伝いをしている男だ。
話を聞くうち、煙草を供えたのは、どうやら彼らしいと知れた。
それでは、少々怒られても仕方あるまい。

「やられちゃったねえ」
その夜、俺たちのテントに管理人が酒持参でやってきた。
友人や仲間のために供えた煙草を吸った方が悪いので、頭をかいて
恐縮していたが、管理人の話を聞くうち、頭をかいていた手はひざに置かれ、
せっかく注いでくれた上等の純米酒の事さえ忘れた。

358: 名無しさん 2005/06/25(土) 00:50:49 ID:nd5BeJdX0
あの男は、数年前の遭難事故での生存者で、色々あって、ここに居ついた。
煙草を供えているのは、生存者ではなく、死んだ方だという。

遭難事件の死亡者が、生存者に向けて煙草を供えているが、その煙草は、
あの男が供えている。
という事は、あの男が死んだ男?
訳がわからない。

遭難事故の当事者は二人。
あの男と、その友人だ。

彼ら二人は、このテント場を出発した後で数日間、雪山に閉じ込められた。
救助隊に発見された時、生きていたのは彼だけだった。
一緒にいた彼の友人は死亡していたが、その死因は失血死だった。

極限状況で生まれる美談は多いが、その一方で、深い絶望や恐怖が招く
暴力行為や、それが発展しての殺人事件は、どうやら少なくないらしい。
当然、生存者が発狂している事もあるだろう。

彼に殺人の容疑がかけられたが、警察がどう調べても、彼の友人は自分の首を
小さなナイフで刺して死亡したという結論しか出なかった。

彼は小さなテントの中、自殺を図った友人と向き合い、緩慢に死んでいく
その姿を見続け、流れ出る血に足を浸し、友人が死体になった後は、
その姿を見守り続けたのだ。

同時に、あらゆる遭難事故の生存者が感じるという、生き残った罪悪感を
特殊な状況下で、強く感じ続けていただろう。

359: 名無しさん 2005/06/25(土) 00:51:29 ID:nd5BeJdX0
ようやく救助された時、彼はすっかり変わっていた。
人格と名前が、死んだ友人のものになっていた。

生き残った彼の中では死者と生者が入れ替わっているのだ。
それでいて、記憶は元のままだった。

彼と友人の関係に即していえば、記憶の中では彼は自分自身を
友人として扱っていて、山で死んだ友人の視線で世の中を、自分を、見ているのだ。
記憶の中には、時として自分に向けられた悪感情もあるだろう。

記憶にある彼の家は、今となっては友人の家なのだ。
そして、新たな人格、名前となった彼には、その名前で過ごした記憶がない。

行き場をなくし、精神が破綻した彼にとっては、最後に友人(あるいは自分)と
過ごしたこの場所しか居場所がないのだろう。

毎月、彼の記憶の中の家族から管理人宛にいくばくかの金が送られてくる。
管理人から金を貰うと彼は煙草を買い、死んだ友人(記憶の中での自分)に
供えているのだという。

確かに、彼の精神世界と現実世界を二枚合わせにして考えれば、管理人の言う通り、
「死者が生者に煙草を捧げ、供えている」のだ。

「でもね、本当に、いい人間ですよ」と管理人は話を結んで小屋に戻っていった。
翌日、山に登る気がすっかり失せた俺達は、ぼんやり煙草ばかりをふかして過ごした。

360: 名無しさん 2005/06/25(土) 00:55:38 ID:8YKm8ZpG0
>>356-359
面白かった…GJ!

何だか平山夢明チックなお話しね

361: 名無しさん 2005/06/25(土) 01:09:38 ID:7aX6Tvpx0
途中に割り込んでしまった・・・。スマソ。

>>356-359
不思議な話ですね。
密閉状態で閉じ込められると、人間はとんでもない行動をおこすらしい。
戦争中、潜水艦が敵艦に追い詰められて何十時間も海中を逃げ回っていると、
神経的に追い詰められた水兵が海中なのにハッチ(外とつなぐ扉)を開けよう
とするらしい。

もちろん開けたら艦は沈没するわけで・・・。頭では解っていても恐怖から逃げたい
あまり、ふらふらと開けようとするわけだ。

雪山に閉じ込められた二人に何があったのか・・・。常識では考えられない事が
あったのかも知れませんね。

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引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1118674955/