1: 名無しさん 2019/09/03(火) 11:54:43.45 ID:HCoBMqUY9
探査艇

1845年5月、英国の探検家で英国海軍将校だったジョン・フランクリン卿は、大西洋と太平洋を結ぶ「北西航路」開拓のための北極海調査を行うため、133人の隊員とともにエレバス号とテラー号に乗り込み、テムズ川を出航した。それは、北極探検の歴史において最も凄惨な出来事の始まりだった。

 計画では、フランクリンの探検は万全のように思えた。隊員たちは経験豊かで屈強な若者たち。乗り込んだ艦船は外側が鉄で覆われ、蒸気機関や温水設備といった、ビクトリア時代の最新技術が満載されていたし、3年分を超す食料品も積み込まれていたからだ 。

 海軍本部の指令に従い、探検隊は北極海でも最も危険な海域へと船を進めた。しかし1846年9月頃に、2隻の船はキング・ウィリアム島の北西で海氷に閉じ込められ、1848年4月までに24人が絶命。フランクリンもその一人だった。キング・ウィリアム島の石塚には、フランクリンに代わって新たな指揮官となったフランシス・クロージャーが書いたと思われる文書が残されていた。それによると、生き残った隊員たちはバック川を徒歩で目指したという。

■沈没船発見に沸く小さな町

 2014年、キング・ウィリアム島の南沖の海底でエレバス号が見つかった。その2年後にはイヌイットのサミー・コグビクが研究者たちを案内した入り江の底から、テラー号が発見された。保存状態は驚くほど良いと、カナダの国立公園を管理する政府機関「パークス・カナダ」の考古学者ライアン・ハリスは話す。

 歴史学者たちの間では、隊員のほとんどが1848年のバック川への無謀な徒歩行の途中で命を落としたのではないかと長く考えられてきた。しかし、カナダのブリティッシュ・コロンビア州を拠点に歴史を研究するデビッド・ウッドマンは違う考えをもつ。1980年代にイヌイットの目撃証言を分析したところ、徒歩行で命を落とした隊員はほとんどいないことがわかったのだ。

 また、ステントンが率いる研究チームは、発見された人骨のDNA分析を進めている。隊員の子孫からもDNAサンプルを集め、骨が誰のものかを特定しようというのだ。

 1世紀以上の時を経て、探検隊を襲った悲劇の真相が明らかになる望みが出てきた。こうした明るい見通しが、北極圏の小さな町、ジョアヘイブンに新たなチャンスをもたらし始めている。沈没船が荒らされないように若者たちが警備の仕事に就いたり、伝説的な船から見つかるかもしれない品々を展示するために地元の博物館を拡張する計画を立てたりしている。

「観光客が来始めていますよ」とコグビクは誇らしげに言った。氷で覆われた極北の地の美しさとフランクリン探検隊の謎に満ちた物語に誘われて、さらに多くの人が訪れることを彼は望んでいるのだ。

ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/082900502/

スポンサーリンク
▽おすすめ


ジョン・フランクリン卿捜査を計画する北極委員会
フランクリン遠征(フランクリンえんせい、英: Franklin's expedition)は、1845年にイングランドを出発したイギリスの北極海探検航海であり、ジョン・フランクリン海軍大佐が指揮していた。フランクリンはイギリス海軍の士官であり、経験を積んだ探検家だった。過去に3回北極海に遠征しており、その2回目と3回目は隊長を務めていた。4回目がこの遠征であり、引き受けたときは59歳になっていた。遠征の目的は、カナダ北極諸島を通ってヨーロッパとアジアを結ぶ北西航路の中で、まだ航海されていない部分を横断することだった。しかし遠征の初期に幾つかの問題が発生した後、遠征隊の2隻の船がカナダ北極圏キングウィリアム島に近いビクトリア海峡で、氷に閉ざされてしまい、フランクリンを含む隊員129名全員が失踪した。
サー・ジョン・フランクリン
ジョン・フランクリン - Wikipedia
サー・ジョン・フランクリン(Sir John Franklin, 1786年4月15日 - 1847年6月11日)はイギリスの海軍将校で北極探検家、王立地理協会員。カナダ北極圏の北西航路を開拓する探検の途上で行方を絶つ。フランクリンが1847年6月11日に死亡していたことが1859年の捜索で確認されている。その他の乗組員も全員遭難したものと推測されている。

4: 名無しさん 2019/09/03(火) 11:56:33.22 ID:mYYfeUJR0
八甲田山みたいなもんだろ

8: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:01:40.40 ID:InymSOec0
こういうの夜中にフトヨの中で読むの好き~(´・ω・`)

9: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:01:41.39 ID:5srG5y0O0
>伝説的な船から見つかるかもしれない品々を展示するために
>地元の博物館を拡張する計画を立てたりしている
捕らぬ狸の皮算用を2時間ドラマにしたような展開

76: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:59:18.97 ID:f80GTmbx0
>>9
亡くなった探検隊の面々も
数世紀の年月を経て村おこしに
一役買うとは予想外だろうなw

12: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:03:14.58 ID:L8i8JdKX0
カナダの北をまわって太平洋に行く航路か
今日この時点でもカナダの北になんて船いないからなあ

13: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:04:09.84 ID:GEo6Hf2C0
テラーめちゃ面白かったわ


23: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:10:12.12 ID:yZ6+t6uq0
なんでも観光になるもんだな

商魂たくましい

26: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:12:27.50 ID:BFJ8bolC0
シロクマに喰われちやったとかあるんじゃない?

30: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:13:07.09 ID:lHxvdprq0
>>1
なぜ消えたのか?…w
海氷に閉じ込められた、徒歩でめざした
食料が尽きたからじゃん

骨も発見されてるし、どこが謎なのか

31: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:13:55.24 ID:irviwDWi0
ダン・シモンズのザ・テラー面白かったな

閉じ込められて船から出た後
現地のイヌイットに目撃されてんだよな
数人くらいだったら助けてくれてたかも

35: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:15:38.61 ID:x17WxnUw0
死んだ隊員くったりしたんだよね…
エスキモーと遭遇してるんだけど、
「こんな沢山の白人を救うことは出来ない」
て逃げられたりいろいろ悲惨

65: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:36:13.10 ID:j3o9suID0
>>35
仲間食ったのアンデスの航空機遭難じゃなかったか?

73: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:45:16.76 ID:x17WxnUw0
>>65 
それもだけど、フランクリン隊もな。

かなり骨が発見されてて刃物で肉を削り取った痕があるんだってさ
専門家が検証してた。BBCだかのドキュメンタリーで見ると良い
涼しくなるぞ…

36: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:16:05.72 ID:fro2373t0
>>1
なぜも何も
海氷に閉じ込められて船が進めなくなった時点で詰みなのに
船を捨てきれなかった判断力の残念なリーダーと
リーダーを捨てられなかった奴が死んだってだけじゃねえか

現代の砕氷船みたいにバキバキに割って進める船じゃなかったなら周りが凍ったらアウト

122: 名無しさん 2019/09/03(火) 14:29:19.96 ID:GefBEIgc0
>>36
そもそも陸路で移動する準備をしてないので、船を捨てる=全滅するだった
荷物を運ぶソリや氷や雪の上を歩く靴などを持ち込まなかったし、作る知識もなかった

60: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:28:51.85 ID:k1g/UZ/A0
>>1
これで世紀の大惨事とか言ったら、八甲田山はどうなるんだよ…

62: 名無しさん 2019/09/03(火) 12:31:00.83 ID:d98Kj55w0
>>1
>蒸気機関や温水設備といった、ビクトリア時代の最新技術が満載されていたし

過酷な環境で最新技術ってのはたいてい死亡フラグだよな

80: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:13:35.78 ID:ZQFvY7cl0
氷で動けなくなるとこまで船でいき
動けなくなってから船放棄
食糧、暖房、生活基盤はすべて船頼み
そりゃ、死ぬよ

90: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:28:20.98 ID:KnPoVXgX0
氷に閉じ込められてた船が後に氷が溶けて移動してイヌイットに発見されてるんだよな
イヌイットはそこを船の場所って呼んでてそこに船が沈んでるんだっけ

92: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:29:48.78 ID:3+JnwAGE0
Amazonプライム・ビデオで観たけど、あれはアレンジされたフィクションだよね
謎のクマっぽい巨大生物とかさ

缶詰めの素材に含まれた鉛中毒はありそう

99: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:39:30.07 ID:/2+D5spt0
>>92
開発されたばかりの缶詰の鉛中毒で全滅した探検隊があったな、とぼんやり思いだしたが
やっぱりフランクリン隊だったか

その後の研究ではそんなに急激に鉛中毒が進行するとは思えないから全滅の原因はは違うんじゃないか
という話だったけど
(はんだ付けされた缶詰の鉛が食品に溶け出すまではかなり時間かかるというので)

112: 名無しさん 2019/09/03(火) 14:12:27.43 ID:hpaevnSU0
>>99
最近の研究で鉛中毒は船の真水供給装置(水の蒸留装置)が原因だと考えられてるみたいだよ

104: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:50:35.95 ID:1iXU4AEd0
南極点を目指したスコット隊も全滅してるし、この時代の大英帝国民は自信過剰で無謀だったんじゃね。

108: 名無しさん 2019/09/03(火) 14:02:00.47 ID:0S/UDBTj0
>>104
アムンゼンが先に旗立ててたからなあ
スコット隊の士気も下がるってもんよ
基地まであとちょっとだったのになあ

124: 名無しさん 2019/09/03(火) 14:30:20.88 ID:XQ5aCsN20
>>104
もっとずっと後の白瀬矗も参加した日本の千島探検(千島報效義会)と
比べたらどんだけ堅実か驚くぞ。手こぎボートで千島まで渡ろうとして
千島どころか探検の出発地点に着く前に本州で遭難。

結局地元民の船に便乗して千島到着。越冬で大量死。
千島報效義会マジブラック。

郡司成忠 - Wikipedia

107: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:59:38.78 ID:ozp+5Ze10
無謀じゃない探検家なんていねーよ

113: 名無しさん 2019/09/03(火) 14:13:42.94 ID:ilmox00p0
目撃したイヌイットがいたんかーいw その時点で現地調査してりゃあな
奴らにとっては庭だろ

98: 名無しさん 2019/09/03(火) 13:37:42.63 ID:P8rnqG/o0

▽注目記事


出典:【歴史】“世紀の大惨事”と呼ばれる19世紀の英国フランクリン探検隊133人はなぜ北極に消えたのか、調査は今なお続く

スポンサーリンク