夜の木

124: 名無しさん 2006/07/03(月) 23:00:47 ID:Zveob40M0
神木

しめ縄の巻かれた大木が一本。
近くに神社があるわけではない。
しめ縄は、不自然なほど新しい。

不自然なものは、他にもあった。
ヒルだ。
だいだい色に茶色の縦縞。
長さは10センチほどだろう。

幹には、そいつがいくつも貼り付き、
丸々と膨れている。
何匹いるか数えたが、30でやめた。

見回すと、ヒルが貼り付いた木は、これだけだ。
しめ縄にためらいながら、ヒルをつまみ、
目をつぶり、引き剥がした。

何を吸っているのか、引き剥がせば分かるような、
そんな気がしていた。

125: 名無しさん 2006/07/03(月) 23:01:55 ID:Zveob40M0
ヒルの口から、細く、赤い血が垂れた。
身をよじり、ヒルは俺に吸い付こうとしていた。

見上げると、ヒルのうち何匹かは細長くなり、
膨れた背は縮んでいるように見えた。
吸っているのはヒルではなく、大木の方だと気付いた。

ヒルから血を吸い取る神木。
大量のヒルをもう一度見つめ、誰が、あるいは何が
ヒルに血を供給しているのだろうと思った。

しめ縄に触れ、そっとそこを離れた。
腕にヒルが食いついていた。
そいつを引き剥がし、投げ捨てた。

129: 名無しさん 2006/07/03(月) 23:36:23 ID:lUyAmCXt0
血生臭そうな樹だな

207: 名無しさん 2006/07/10(月) 04:58:47 ID:0VJJxmTx0
雨女

険しい山々の間に、小さな秘湯の宿がある。
そこは10人も入れば満員になる内湯と、宿から少し山道を下った所に、
もう少し小さな露天風呂を持っている。
この露天風呂、深夜になると時々、不思議なものに出会う事がある。

灯りと言っては脱衣所の電灯と月明かり。それ以外には何もない。
あたりは信じ難いくらい濃い闇と、星々が煙るように瞬く空。

風が時折、草木を揺らして通り過ぎる。
こんこんと湧き続ける湯。

耳鳴りがしそうなほど静かな中で、手足を伸ばし、ぼーっとしていると、
突然“ちゃぽん…”と音がする。

だが、音のした方へ目をやっても、何の姿も無い。
けれども、そちらにはまるで雨が降っているかのように、湯の表面に、
丸い小さな波紋がぽつり、ぽつり…と幾つも生まれて消える。

それも、人が手を伸ばした範囲ほど。
そして、その雨垂れと共に線が一本、ゆっくり、つぅーっと走る。

ほんの少しゆらり、と湯を揺らがせ、俺がいる所から一番遠い所に
止まって陣取る。
そこにだけ、静かに雨が降っている。

208: 名無しさん 2006/07/10(月) 04:59:36 ID:0VJJxmTx0
夜空には、時々星が流れる。
しかし、湯船の片隅には、静かに雨が降り続ける。

たまに、掌で湯を掬って肩に掛けるような、ぱちゃり…ぱちゃり…と
言う音がするが、それだけ。

一人と一つ、それぞれに時を過ごす。
いい加減のぼせそうになり、向こうへ「お先に」と声をかけ、俺が先に
上がった事は2度ばかり。

だいたいは、上がろうかどうしようか迷い始めた頃、さっと強い驟雨が
吹き付ける。

思わず目を閉じ、開けた時には、雨はもうどこにも無い。
ただ一度、その驟雨が、目を少し細めるだけでいられた事があった。

瞬間、降りしきる雨の中を、うっすらとした灰色の、何となく女性を
思わせるような人影が、俺の視界を横切った。

何かを見たのは、後にも先にもそれきりだ。

不思議な事に、これに出会った次の日は、何故か必ず雨が降る。
見えない影の周りに降っている雨粒が、雨脚の強さの目安になる。

だから、俺はそれを“雨女”と呼んでいる。

今年はまだ、残念ながら出会えていない。

277: 名無しさん 2006/07/11(火) 17:02:12 ID:VQ7iDzzg0
地質調査

じゃあ、私が一丁流れをぶった斬る。(れたらいいなぁ…。)

うちの学科(大学の)は地質系で一人で地質調査すんのよ。
範囲は約10km四方。当然山あり川あり熊もある。
で、友人のG君の話なんだが…。

よく晴れたある日、彼はいつもの如く沢を登り、
露頭(地層が見える地肌)がありそうな所を探して藪コギをしていた。

背丈(約165cm)を越える雑草どもに辟易しながら進んでいくと
突然藪が終わり、眼下に田園が広がった。

{ふぅ。」と一息ついて辺りを見ると驚いた表情をしたおばさんが一人いた。
無理も無い。いきなり藪から鉈を持ったゴツイ男が現れたら誰だって驚く。

彼は言い訳を考えながら話しかけようとすると、
「おめぇ、あにしてらぁんだ?すったらどこで?」(あなたはこんな所で何をしているんですか?)

と聞かれ事情と素性を答えた。おばさんは
「んだが。」(そうですか。)と答えた後こうつないだ。
「昨日、○○で熊っコでてぎでらからおめも気ぃつけれや。」(昨日○○で熊が出没したから気をつけなさいよ)

彼は驚いて「え!?見たんですか?」と聞き返した。
「んだ、藪ん中ゴソゴソする黒いの見づけて猟友会呼んだどもいねくなってたど。」
彼は詳しく場所を聞いた。

そこも調査地域だったし何より昨日調査していたからだ。
そして話を聞けば聞くほど彼の顔は青ざめていった…。

彼は私達にこう言って話を締めくくった。

「その熊らしき物は多分俺だ。あの日あの時間、あそこにいたしあの日は黒い服着てたんだ…。
もしあのままもう一時間位調査していたら俺は今頃…。」

ずんぐりむっくりな体を一度ぶるっと震わせた後、
彼はその恐怖の余韻に浸っていた。

280: 名無しさん 2006/07/11(火) 19:02:24 ID:e6T1PzxP0
>>277
うわぁ…誤射されなくてよかったね。

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引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1151517198/