真っ白い猿
友人の話。
彼女の実家は山奥深い村だ。
今は廃村となってしまったが、そこで奇妙な物を幾度となく見たという。
山中の神社で隠れん坊をしていた時のこと。
何事かと見やると鬼役の子が参道で立ち竦んでいた。
背筋をピンと伸ばして二足歩行。妙に人間臭い歩き方だったという。
猿は宮の前まで行くと、賽銭箱に何やら投げ入れた。コトンと硬い音。
そして少しの間、頭を垂れる。願掛けでもしているのだろうか。
やがて見守る子供たちを気にかけた風もなく、猿は神社から出て行った。
自分たち子供を含め、周りの大人より余程立派に見えたのだそうだ。
友人の話。
彼女の実家は山奥深い村だ。
今は廃村となってしまったが、そこで奇妙な物を幾度となく見たという。
山中の神社で隠れん坊をしていた時のこと。
隠れていると、境内から「あっ」という驚いた声がする。
何事かと見やると鬼役の子が参道で立ち竦んでいた。
その傍を大きな真っ白い猿が、堂々と歩いて通り抜けてくる。
背筋をピンと伸ばして二足歩行。妙に人間臭い歩き方だったという。
猿は宮の前まで行くと、賽銭箱に何やら投げ入れた。コトンと硬い音。
そして少しの間、頭を垂れる。願掛けでもしているのだろうか。
やがて見守る子供たちを気にかけた風もなく、猿は神社から出て行った。
自分たち子供を含め、周りの大人より余程立派に見えたのだそうだ。
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294: 名無しさん 2005/11/05(土) 05:32:06 ID:cwwRCd2a0
>>286
投げ入れたのがドングリだったりしたらメルヘン。
大粒の砂金だったとか。
投げ入れたのがドングリだったりしたらメルヘン。
大粒の砂金だったとか。
307: 名無しさん 2005/11/06(日) 10:14:54 ID:+AN1Fcxp0
赤い布切れ
ふかふかの雪に膝まで潜りながら、ラッセルが続いている。
動き続けるには手ごろな気温だ。
西の空、高いところで雲が風に吹き散らされ、目に見える範囲で
3箇所ほど、山裾から湯煙のように雲が立ち昇っている。
天気が崩れる前に冬季小屋までは行けそうだ。
竹竿を細く割り、赤い布切れをつけた目印を要所で立てながら来た。
天候の急変で方向を見失うような事でもあれば、その竹竿が頼りだが、
離れ過ぎず近過ぎずという加減が、案外難しい。
振り返る。
俺たちが歩いてきた経路に沿って、小さな赤い布切れが
ちらちら光っていた。
前方に冬季小屋が見えてきた。
頭上、灰色の雲が広がり始めていた。
晴天の名残など、すぐに失せてしまうだろう。
小屋をどこかへ運び去ろうという勢いの風。
吹雪の一夜というのは、やはりどこかしら不安だ。
小屋の外にあるトイレへ行こうと扉を開けた。
ふかふかの雪に膝まで潜りながら、ラッセルが続いている。
気温はマイナス10度前後だろう。
動き続けるには手ごろな気温だ。
西の空、高いところで雲が風に吹き散らされ、目に見える範囲で
3箇所ほど、山裾から湯煙のように雲が立ち昇っている。
天気が崩れる前に冬季小屋までは行けそうだ。
竹竿を細く割り、赤い布切れをつけた目印を要所で立てながら来た。
ここまで、何本使ったろうか。
天候の急変で方向を見失うような事でもあれば、その竹竿が頼りだが、
離れ過ぎず近過ぎずという加減が、案外難しい。
振り返る。
俺たちが歩いてきた経路に沿って、小さな赤い布切れが
ちらちら光っていた。
前方に冬季小屋が見えてきた。
頭上、灰色の雲が広がり始めていた。
晴天の名残など、すぐに失せてしまうだろう。
小屋をどこかへ運び去ろうという勢いの風。
壁に突き刺さり、めり込むような雪。
吹雪の一夜というのは、やはりどこかしら不安だ。
朝になっても吹雪はやまないが、多少は静かになっていた。
小屋の外にあるトイレへ行こうと扉を開けた。
308: 名無しさん 2005/11/06(日) 10:16:23 ID:+AN1Fcxp0
そこらじゅうで、小さな赤い布切れが光っていた。
風に吹かれ、しなった竹竿の先、赤い布切れが激しく揺れている。
見渡す限り、雪原は赤い布を結びつけた竹竿だらけだ。
とても数え切れない。
トイレへの行き帰り、呆然とそれを見つめた。
風が強まり、視界が霞んだ。
あっという間に白一色の世界に引き込まれた。
赤い布切れなど、もうどこにも見えない。
晴れたら、俺たちが立てた竹竿以外、きっと残っていないだろう。
小屋に戻ってから、そう思った。
風に吹かれ、しなった竹竿の先、赤い布切れが激しく揺れている。
その赤が、目にうるさい。
見渡す限り、雪原は赤い布を結びつけた竹竿だらけだ。
とても数え切れない。
トイレへの行き帰り、呆然とそれを見つめた。
風が強まり、視界が霞んだ。
あっという間に白一色の世界に引き込まれた。
赤い布切れなど、もうどこにも見えない。
晴れたら、俺たちが立てた竹竿以外、きっと残っていないだろう。
小屋に戻ってから、そう思った。
312: 名無しさん 2005/11/06(日) 18:16:26 ID:8Wc4/N5d0
全裸隊氏の話で思い出したんですが
とある豪雪地帯では、村の年寄りが冬を越せそうにないと判断され
た場合にその家の墓に長い竿(竹竿かな)を立てておいて、死んだ時
に遺体を墓に収められるようにしたという古い風習がある
ってな話を親父から聞いたのを思い出しました。ホントかホラか知
りませんが、ウチの本家が新潟の方なんで、もしかしたらホントかな
冬の間、当の本人はその竿を見てどんなこと考えるんかな、って思
うとゾッとしました
とある豪雪地帯では、村の年寄りが冬を越せそうにないと判断され
た場合にその家の墓に長い竿(竹竿かな)を立てておいて、死んだ時
に遺体を墓に収められるようにしたという古い風習がある
ってな話を親父から聞いたのを思い出しました。ホントかホラか知
りませんが、ウチの本家が新潟の方なんで、もしかしたらホントかな
ぁとも思った。
冬の間、当の本人はその竿を見てどんなこと考えるんかな、って思
うとゾッとしました
322: 名無しさん 2005/11/07(月) 20:55:16 ID:5j0Z8wmJ0
廃村巡り
知り合いの話。
好事家の彼は、同好の士とよく廃村巡りをしている。
車を停めてから森の中をかなり歩いたが、その裏寂れた雰囲気は大いに気に入り、
来た甲斐があったなと思ったそうだ。写真を何枚か撮って帰途に着く。
彼ら自身が写っている写真には何もないのだが、廃屋や標識跡を撮った画像には
そこにいなかった筈の人物が、くっきりと写り込んでいたのだ。
それも一人や二人ではない。かなりの集団だ。
不思議なことに、どの人も頭に何かを被っていた。
その全員が一人の例外もなく、被り物の奥の顔は見えない。
ただそこだけ、墨で塗りつぶしたかのように真っ黒になっているだけ。
知り合いの寺に持ち込んだが、そこの住職さんも困ってしまったらしい。
彼らの身には今のところ、何も悪いことは起こっていないそうだ。
定本 黒部の山賊
知り合いの話。
好事家の彼は、同好の士とよく廃村巡りをしている。
ある山中の廃村に出向いた時のこと。
そこは最近まで居住者がいたらしく、まだ家屋も崩れきっていなかった。
車を停めてから森の中をかなり歩いたが、その裏寂れた雰囲気は大いに気に入り、
来た甲斐があったなと思ったそうだ。写真を何枚か撮って帰途に着く。
写真部の仲間に現像してもらうと、まるで思ってもいない仕上がりとなった。
そこにいなかった筈の人物が、くっきりと写り込んでいたのだ。
それも一人や二人ではない。かなりの集団だ。
不思議なことに、どの人も頭に何かを被っていた。
帽子を被っている者。蓑笠を被っている者。防空頭巾のような物を被っている者。
その全員が一人の例外もなく、被り物の奥の顔は見えない。
ただそこだけ、墨で塗りつぶしたかのように真っ黒になっているだけ。
知り合いの寺に持ち込んだが、そこの住職さんも困ってしまったらしい。
とりあえずお経を上げてもらい、ネガごと預けて帰ってきたという。
彼らの身には今のところ、何も悪いことは起こっていないそうだ。
定本 黒部の山賊
▽注目記事
ヤマノススメ見てから登山始めたやついる?
ポールの長さの選択に悩む…自分は身長176cmで腕もまあ長いほうかも。
ワイ高校生、学校をサボり高尾山へwwwwwwwwwwwww
モンベルのシュラフはジッパーが油断するとすぐ噛む・・・
ヘルメットは顎紐締めて気も締めて、だ。ちょっと危ないところにいるんだって自覚するために着ける。
登山中に動けなくなっている人がいたら背負ってでも助ける?
登山口まで自転車で行って登って帰ってくるスタイル あんまりいないのかな?
山ならペンタックス一択だと聞いたのだが。防滴防塵仕様が望ましいという話でさ。
【島にある山を語る】八丈富士にはそのうち登ってみたいと思っています!
登山を始めた理由は梓林太郎さんの小説を「読むだけではなく自分でも登らにゃいかん」と思ったのがきっかけです
引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1129644145/
ポールの長さの選択に悩む…自分は身長176cmで腕もまあ長いほうかも。
ワイ高校生、学校をサボり高尾山へwwwwwwwwwwwww
モンベルのシュラフはジッパーが油断するとすぐ噛む・・・
ヘルメットは顎紐締めて気も締めて、だ。ちょっと危ないところにいるんだって自覚するために着ける。
登山中に動けなくなっている人がいたら背負ってでも助ける?
登山口まで自転車で行って登って帰ってくるスタイル あんまりいないのかな?
山ならペンタックス一択だと聞いたのだが。防滴防塵仕様が望ましいという話でさ。
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登山を始めた理由は梓林太郎さんの小説を「読むだけではなく自分でも登らにゃいかん」と思ったのがきっかけです
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昔から白い動物は神の使いとされ、殺してはいけないと伝わる地域は多い。
でもにわかの狩人が増えて、昔からの言い伝え等を継承してないところが増えて、昨年も某場所で寺の敷地内にいた白い猪を仕留めたと報道があった。
その区域は今年は災害に見舞われているけど、それが偶然か必然的(神障り)なことかはわからない。