186: 名無しさん 2005/12/29(木) 12:52:14 ID:vMvMUqeS0
テント外の気配
先輩の話。
春先に一人で山中を縦走していた時のこと。
何度も外を窺ったが、明かりの届く範囲には何も見えない。
それでも誰かに見られているような嫌な感じは消えなかった。
ふと思いついて、魔除け代わりに塩を盛ることにした。
と言っても別に詳しい知識がある訳でもなく、ほんの遊び心からだったという。
塩入れを取り出すとテントの入口に小さな山を作り、眠りについた。
夜中、ふと目が覚めた。
明りを点けて見てみたが、テントの中も外の闇の中にも、何も見受けられない。
不気味に思ったが眠かったこともあり、気にせず続けて寝てしまった。
朝目を覚ますと昨晩のことを思い出し、早速塩山を確認した。
テントの入り口、記憶にある白い山はどこにもない。
灰色の薄く潰れた物体があるだけ。
盛り塩はぐずぐずに溶けて崩れていたのだ。
彼はしばらく呆けたように、その塩の残骸を見つめていたそうだ。
効果が有ったのか無かったのか、それ以降変わったことは起こらなかった。
先輩の話。
春先に一人で山中を縦走していた時のこと。
夜分そろそろ休もうとしている頃、テントの周りで気配が湧いた。
何度も外を窺ったが、明かりの届く範囲には何も見えない。
それでも誰かに見られているような嫌な感じは消えなかった。
ふと思いついて、魔除け代わりに塩を盛ることにした。
と言っても別に詳しい知識がある訳でもなく、ほんの遊び心からだったという。
塩入れを取り出すとテントの入口に小さな山を作り、眠りについた。
夜中、ふと目が覚めた。
温い風を頬に感じたのだ。少し生臭い。
明りを点けて見てみたが、テントの中も外の闇の中にも、何も見受けられない。
不気味に思ったが眠かったこともあり、気にせず続けて寝てしまった。
朝目を覚ますと昨晩のことを思い出し、早速塩山を確認した。
テントの入り口、記憶にある白い山はどこにもない。
灰色の薄く潰れた物体があるだけ。
盛り塩はぐずぐずに溶けて崩れていたのだ。
彼はしばらく呆けたように、その塩の残骸を見つめていたそうだ。
効果が有ったのか無かったのか、それ以降変わったことは起こらなかった。
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187: 名無しさん 2005/12/29(木) 12:53:06 ID:vMvMUqeS0
電波を受信できる森
知り合いの話。
人里からずっと離れた山の中でただ一ヶ所、携帯電話の電波が受信できる森が
そこを通る登山者は割と多く、噂を聞いている者は大抵それを試してみる。
深い山奥で圏外の筈なのに、確かに外部と会話が出来るのだそうだ。
そして、まずほとんどの者は二度とは試さない。
変な唸り声や笑い声が混線してくるからなのだという。
知り合いの話。
人里からずっと離れた山の中でただ一ヶ所、携帯電話の電波が受信できる森が
あるという。
そこを通る登山者は割と多く、噂を聞いている者は大抵それを試してみる。
深い山奥で圏外の筈なのに、確かに外部と会話が出来るのだそうだ。
そして、まずほとんどの者は二度とは試さない。
変な唸り声や笑い声が混線してくるからなのだという。
188: 名無しさん 2005/12/29(木) 12:56:49 ID:vMvMUqeS0
怪しい音
友人の話。
一人でふらり紅葉を見に行った帰り道。
既に日は沈み始めており、山深い峠道は闇が濃さを増していた。
ゆっくり車を走らせていると、突然の衝撃音。
どんっ!
車の屋根が音を立てて揺れる。頭の真上がひどく撓んだのがわかった。
何も乗ってはおらず、何かが落ちてきた痕跡もない。
訝しく思いながらも再び運転を開始した。
少し進むと、また「どんっ!」ときた。
今度は車を停めなかった。
結局、その峠を下りきるまで十数回、怪しい音は車体を揺らし続けたという。
友人の話。
一人でふらり紅葉を見に行った帰り道。
既に日は沈み始めており、山深い峠道は闇が濃さを増していた。
ゆっくり車を走らせていると、突然の衝撃音。
どんっ!
車の屋根が音を立てて揺れる。頭の真上がひどく撓んだのがわかった。
慌てて路肩に緊急停車し、降りてルーフを確認する。
何も乗ってはおらず、何かが落ちてきた痕跡もない。
訝しく思いながらも再び運転を開始した。
少し進むと、また「どんっ!」ときた。
今度は車を停めなかった。
結局、その峠を下りきるまで十数回、怪しい音は車体を揺らし続けたという。
289: 名無しさん 2006/01/02(月) 22:52:37 ID:d+TTvtFw0
小屋で知り合ったパーティー
小屋で知り合ったパーティーを見送るため、小屋の外へ出た。
見送った俺たちは3人。
俺は、3番目に小屋に戻ろうとしていた。
目の前で、小屋の引き戸が軋みながら閉ざされた。
引き戸を開けると、俺の前に小屋へ入った男が俺に背を向けて
彼が振り返り、おや、という顔をして俺の顔を見つめた。
小屋に残っているのは3人。
「自分が最後だと思って・・・」
まあ良い。
まあ良いが、似たようなことが小屋に居る間じゅう続いた。
俺が部屋に入ろうとすると、誰かが後から続いて入ろうと
部屋の入り口の戸を閉めずにおくと、結局、誰も入ってこない。
小屋に滞在しているのは、3人。
考えてみれば、顔を知らない誰かが居るはずもない。
元旦、夜明け前に部屋の電球が煌々と灯り、俺たちは目覚めた。
せっかくなので、近くのピークまで出かけ、初日の出を祝い、
拍手を打ち、寒さに震えながら小屋に戻った。
戻ると、小屋の中は暗い。
全ての電灯が切れ、灯らなくなっていた。
別の誰かを感じることもなくなった。
山の霊異記 赤いヤッケの男
小屋で知り合ったパーティーを見送るため、小屋の外へ出た。
出発する彼らに手を振って挨拶を交わし、振り返って小屋に戻る。
見送った俺たちは3人。
俺は、3番目に小屋に戻ろうとしていた。
目の前で、小屋の引き戸が軋みながら閉ざされた。
引き戸を開けると、俺の前に小屋へ入った男が俺に背を向けて
立っていた。
彼が振り返り、おや、という顔をして俺の顔を見つめた。
小屋に残っているのは3人。
「自分が最後だと思って・・・」
まあ良い。
まあ良いが、似たようなことが小屋に居る間じゅう続いた。
俺が部屋に入ろうとすると、誰かが後から続いて入ろうと
しているのを感じた。
部屋の入り口の戸を閉めずにおくと、結局、誰も入ってこない。
小屋に滞在しているのは、3人。
考えてみれば、顔を知らない誰かが居るはずもない。
元旦、夜明け前に部屋の電球が煌々と灯り、俺たちは目覚めた。
誰かがご来光に間に合うよう、気を利かせてくれたらしい。
せっかくなので、近くのピークまで出かけ、初日の出を祝い、
拍手を打ち、寒さに震えながら小屋に戻った。
戻ると、小屋の中は暗い。
全ての電灯が切れ、灯らなくなっていた。
別の誰かを感じることもなくなった。
山の霊異記 赤いヤッケの男
▽注目記事
昔 、秋田の猟師さんが熊は蛇が嫌いだと言ってたよ。荷造り用の自転車のチューブを投げたら、蛇だと思って熊は逃げ出したとか…
ボトルはナルゲンが非常に評判が良いようだけれど、そんなに他社と違うものなのかな?
【アルプス】遠くから見る山々!
ウインドマスターが4年目くらいでぼちぼち不具合出てきたんだけど修理してくれるのかなぁ?
【/^o^\フッジッサーン】富士山展望の山…三ツ峠・石割・杓子・金時は冬の山歩きに最高。
袋麺作るのにいいクッカーないですかね? 割ったりせずそのまま入って、軽量コンパクトだとなおよしです。
【ナイトハイク】満月の方が気持ちは良いだろうね
マップケースは使ってますか?山と高原地図にちょうどよい商品ないもんでしょうか…
テント泥棒対策ってどうすればいいだろう?
登山趣味の人がフルマラソンを走る、マラソン趣味の人が富士山に登る…前者の方が厳しい
引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1134399217/
ボトルはナルゲンが非常に評判が良いようだけれど、そんなに他社と違うものなのかな?
【アルプス】遠くから見る山々!
ウインドマスターが4年目くらいでぼちぼち不具合出てきたんだけど修理してくれるのかなぁ?
【/^o^\フッジッサーン】富士山展望の山…三ツ峠・石割・杓子・金時は冬の山歩きに最高。
袋麺作るのにいいクッカーないですかね? 割ったりせずそのまま入って、軽量コンパクトだとなおよしです。
【ナイトハイク】満月の方が気持ちは良いだろうね
マップケースは使ってますか?山と高原地図にちょうどよい商品ないもんでしょうか…
テント泥棒対策ってどうすればいいだろう?
登山趣味の人がフルマラソンを走る、マラソン趣味の人が富士山に登る…前者の方が厳しい
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なんか悪い存在ではないように感じた。
御来光を拝んで、満足して成仏したのかもしれないな。