197: 名無しさん 2006/09/17(日) 23:27:22 ID:YxhhgROz0
道迷いする男
ちっとも怖くないんだけど、子供の頃の記憶が掘り起こされてきました。
親父と山に登った時の話
御来光を拝むために、夜中から山を登っていた。
途中、登山道が二手(そのまま斜めに行く道と折り返すように進む道)に分かれていて、
親父は「ここは良く間違えるんだ。気をつけないとな。」と言った。
折り返す道が正解で、斜めに進むと上へは進めない。
そのまま登り続け、ふと山裾を見下ろすと、なにやら光が蠢いている。
視界を遮る木立は一切無く、目をこらすとそこにはヘッドランプをつけた男が一人
背の高いススキが生い茂った窪地をうろついていた。
「あ~、あそこ(登山道が二手に分かれた場所)を間違えたんだな。」親父はそう言いながら、
「この明かりに気づけば、自分が間違ってることに気づくだろ。」
と立ち止まり、手元のライトをその男の方に向けた。
ちっとも怖くないんだけど、子供の頃の記憶が掘り起こされてきました。
親父と山に登った時の話
御来光を拝むために、夜中から山を登っていた。
途中、登山道が二手(そのまま斜めに行く道と折り返すように進む道)に分かれていて、
親父は「ここは良く間違えるんだ。気をつけないとな。」と言った。
折り返す道が正解で、斜めに進むと上へは進めない。
そのまま登り続け、ふと山裾を見下ろすと、なにやら光が蠢いている。
視界を遮る木立は一切無く、目をこらすとそこにはヘッドランプをつけた男が一人
背の高いススキが生い茂った窪地をうろついていた。
「あ~、あそこ(登山道が二手に分かれた場所)を間違えたんだな。」親父はそう言いながら、
「この明かりに気づけば、自分が間違ってることに気づくだろ。」
と立ち止まり、手元のライトをその男の方に向けた。
スポンサーリンク
198: 名無しさん 2006/09/17(日) 23:28:29 ID:YxhhgROz0
しかし、その男はライトに気づく様子は無く、
引き返すでもなく、結果としてそのまま奥に進んでいる。
その男の目的地が違う所にあるのかと一瞬思ったが、
ススキを掻き分けつつ、ヘッドランプが忙しく動いている。
前後不覚で焦っているようだ。
こちらのライトに気づかないその男を見て、
親父は「気づかないな。仕方ない、先へ進もう。」
と、また登り始めた。
俺も、親父の後を付いていった。
結局、その男がその後どうなったかは分からない。
ただ、今思えばあの男がなぜ焦っていたのかを疑問に思う。
いくら道を間違えたとしても、ススキの生えた窪地で前後不覚に陥るのだろうか。
子供の背丈であれば、有り得るかもしれないが、
あの男は明らかに大人で、生い茂るススキからも頭が出ていた筈だ。
もしかしたら、何物かに欺かれて
あの男の目に映っていたのは、ススキでは無い何かだったのかもしれない。
山だったら、そういうこともあるんじゃないかと思う、今日この頃。
引き返すでもなく、結果としてそのまま奥に進んでいる。
その男の目的地が違う所にあるのかと一瞬思ったが、
ススキを掻き分けつつ、ヘッドランプが忙しく動いている。
前後不覚で焦っているようだ。
こちらのライトに気づかないその男を見て、
親父は「気づかないな。仕方ない、先へ進もう。」
と、また登り始めた。
俺も、親父の後を付いていった。
結局、その男がその後どうなったかは分からない。
ただ、今思えばあの男がなぜ焦っていたのかを疑問に思う。
いくら道を間違えたとしても、ススキの生えた窪地で前後不覚に陥るのだろうか。
子供の背丈であれば、有り得るかもしれないが、
あの男は明らかに大人で、生い茂るススキからも頭が出ていた筈だ。
もしかしたら、何物かに欺かれて
あの男の目に映っていたのは、ススキでは無い何かだったのかもしれない。
山だったら、そういうこともあるんじゃないかと思う、今日この頃。
199: 名無しさん 2006/09/17(日) 23:47:26 ID:35tm2v0G0
>>198
タヌ。
タヌ。
203: 名無しさん 2006/09/18(月) 09:10:41 ID:KLB2rqup0
>>198
生きた人間ではなくて山で遭難し永遠にさまよってるんじゃね?
だからこちらのライトにも気づかない
生きた人間ではなくて山で遭難し永遠にさまよってるんじゃね?
だからこちらのライトにも気づかない
200: 名無しさん 2006/09/17(日) 23:52:29 ID:BmWH05/j0
>>197-198
乙。でも夜中に単独行をしていて、ススキの原で道に迷って方角も分からないとなれば普通焦るでしょ。
パニックにならないまでも、正しい道を探してあちこち動き回ると思う。
本当は腹をくくって明るくなるまでその場にじっとしているべきなんだろうけど、なかなかそうもいかないものだ。
乙。でも夜中に単独行をしていて、ススキの原で道に迷って方角も分からないとなれば普通焦るでしょ。
パニックにならないまでも、正しい道を探してあちこち動き回ると思う。
本当は腹をくくって明るくなるまでその場にじっとしているべきなんだろうけど、なかなかそうもいかないものだ。
202: 名無しさん 2006/09/18(月) 01:22:03 ID:JACIzHSg0
俺の叔母は子供の頃裏山で狐か狸に化かされたそうだ。
延々と山の中を歩き回らされたらしい。
そしてその叔母の娘2人は揃いも揃って見える人で子供の頃から妙な事をよく言ってた。
良く考えたら祖母も既に亡くなってる人とよく話をしてたっけ。
延々と山の中を歩き回らされたらしい。
そしてその叔母の娘2人は揃いも揃って見える人で子供の頃から妙な事をよく言ってた。
良く考えたら祖母も既に亡くなってる人とよく話をしてたっけ。
204: 名無しさん 2006/09/18(月) 10:51:12 ID:Kxx9LI/60
7人パーティーで登山
去年の秋の話(1/2)
10年以上の付き合いの気心知れた6人の仲間と俺の合計7人パーティーで山を登っていた。
おれはサブリーダーで常に列の最後尾を努めていた。
山に入り小峰を制覇し、決められたルートを次々にこなしながら順調に登山は進んでいた。
昼飯も済ませ、全行程の60%程をこなしたところで何故か急に足が重くなった。
痺れたり疲れているのではない。元気は十分だった。しかしなぜか「重い」のである。
最初は気にせずにいたが徐々に重くなり、10分もすると全く歩けないほどに足が重くなった。
俺は先頭を歩いているリーダーにちょっと休もうと呼びかけた。しかし返事がない。というより聞こえている様子が無い
大きな声で呼んでみたが、全員が声が聞こえた様子もなくどんどん離れていく。
普段リーダーは常に列の全員に気を配っているのでこんな事はありえないのだが、その時は実際リーダーを含め全員が振り返りもせず、
むしろ途中小走りになってすぐに視界から消えるほど離れてしまった。
おれは足の事もあるしとりあえず落ち着く為に荷物を降ろし、お茶を飲んだ。
自分の足を点検したが怪我をしているわけでも疲れてもなかった、しかしなぜか歩けないほど重い。
が、お茶を飲んで10分ほど座っていると少し「重さ」が和らいだので、列に追いつくためにゆっくりと歩き始めた。
そして歩き始めて5分もしないうちに、後ろの方向から誰かパーティーが来る気配に気づいた。
去年の秋の話(1/2)
10年以上の付き合いの気心知れた6人の仲間と俺の合計7人パーティーで山を登っていた。
おれはサブリーダーで常に列の最後尾を努めていた。
山に入り小峰を制覇し、決められたルートを次々にこなしながら順調に登山は進んでいた。
昼飯も済ませ、全行程の60%程をこなしたところで何故か急に足が重くなった。
痺れたり疲れているのではない。元気は十分だった。しかしなぜか「重い」のである。
最初は気にせずにいたが徐々に重くなり、10分もすると全く歩けないほどに足が重くなった。
俺は先頭を歩いているリーダーにちょっと休もうと呼びかけた。しかし返事がない。というより聞こえている様子が無い
大きな声で呼んでみたが、全員が声が聞こえた様子もなくどんどん離れていく。
普段リーダーは常に列の全員に気を配っているのでこんな事はありえないのだが、その時は実際リーダーを含め全員が振り返りもせず、
むしろ途中小走りになってすぐに視界から消えるほど離れてしまった。
おれは足の事もあるしとりあえず落ち着く為に荷物を降ろし、お茶を飲んだ。
自分の足を点検したが怪我をしているわけでも疲れてもなかった、しかしなぜか歩けないほど重い。
が、お茶を飲んで10分ほど座っていると少し「重さ」が和らいだので、列に追いつくためにゆっくりと歩き始めた。
そして歩き始めて5分もしないうちに、後ろの方向から誰かパーティーが来る気配に気づいた。
205: 名無しさん 2006/09/18(月) 10:51:45 ID:Kxx9LI/60
(2/2)
しかしなにか見覚えがある。目を凝らしてみるとそれは自分達のパーティーだった。
自分以外の6人が歩いてくる。
はぐれた自分を探しに来てくれたのか、しかしどうやって下山方向から?などと思い待っていると、来たはいいが俺の目の前を通り過ぎていく。
いくら声をかけてもまるで俺が見えていないかのようだった。
ブチ切れた俺は6人をギリギリ視界にとどめながら追いつこうと必死に歩いた。
そしてなんとかベースキャンプまでたどり着いたその足でリーダーに問い詰めた。なぜ無視したのかと
リーダーはきょとんとしていた。リーダー曰く無視などしていないし、
途中俺を探す為ににルートを変更などもしていないし、むしろ俺は列からはぐれずきっちりしんがりを努めていたというのだ。
しかも俺を含めた7人がキャンプに着いてからもう1時間は経っているという。
冗談ではない、こちとらたった今やっとの思いでキャンプに着いたというのに。しかも6人をこの目で追いながら。
全く話がかみ合わない中リーダーが言った。
「そういや途中で最後尾のはずのお前がルートの先で待ってたけどあれどうやって俺達を抜いたんだ。俺達はびっくりして走って近づいたんだが、まるっきり俺達を無視して最後尾についてたけど」と。
そして時間の話になり、お互いの時計を見ると朝みんなで確認したはずの時間がきっちり1時間ずれていた。
しかしなにか見覚えがある。目を凝らしてみるとそれは自分達のパーティーだった。
自分以外の6人が歩いてくる。
はぐれた自分を探しに来てくれたのか、しかしどうやって下山方向から?などと思い待っていると、来たはいいが俺の目の前を通り過ぎていく。
いくら声をかけてもまるで俺が見えていないかのようだった。
ブチ切れた俺は6人をギリギリ視界にとどめながら追いつこうと必死に歩いた。
そしてなんとかベースキャンプまでたどり着いたその足でリーダーに問い詰めた。なぜ無視したのかと
リーダーはきょとんとしていた。リーダー曰く無視などしていないし、
途中俺を探す為ににルートを変更などもしていないし、むしろ俺は列からはぐれずきっちりしんがりを努めていたというのだ。
しかも俺を含めた7人がキャンプに着いてからもう1時間は経っているという。
冗談ではない、こちとらたった今やっとの思いでキャンプに着いたというのに。しかも6人をこの目で追いながら。
全く話がかみ合わない中リーダーが言った。
「そういや途中で最後尾のはずのお前がルートの先で待ってたけどあれどうやって俺達を抜いたんだ。俺達はびっくりして走って近づいたんだが、まるっきり俺達を無視して最後尾についてたけど」と。
そして時間の話になり、お互いの時計を見ると朝みんなで確認したはずの時間がきっちり1時間ずれていた。
217: 名無しさん 2006/09/18(月) 19:49:14 ID:Bchf6mX50
>>204
冥い道だな
死を目前にした人は冥い道を通るんだって。
同じ時刻、同じ場所にいたのに会えてない。
それはあなたが冥い道にいたから、他の人にはあなたが見えてない。
って阿刀田高が言ってた。
冥い道だな
死を目前にした人は冥い道を通るんだって。
同じ時刻、同じ場所にいたのに会えてない。
それはあなたが冥い道にいたから、他の人にはあなたが見えてない。
って阿刀田高が言ってた。
206: 名無しさん 2006/09/18(月) 11:26:59 ID:IsnQ9rl20
▽注目記事
スポンサーリンク