359: 名無しさん 2006/01/10(火) 23:41:17 ID:2E4sj/WP0
通夜
10年くらい前の、ひいばーちゃんが無くなった時の話です。
この時初めて幽霊さんの大群を見ました。
ひいばーちゃんの家が狭かった為に通夜・葬式は会場を借りて行う事になりました。
場所は寂れた山の中、建物もボロっちい平屋、廃屋と墓場が会場の下手にある嫌な所でした。
会場のすぐ近くにある雑木林の中には苔生した御地蔵さんの残骸などもありました。
子供の時の話ですから、やる事も無く暇で近くを探検して遊びまわってました。
ですが、墓場の端にある石碑付近は何となく空気が悪くて近寄れませんでした。
日が沈む頃まで雑木林で遊んでいて、そろそろ戻ろうと思った時、
あの嫌な感じの石碑のそばに人影が見えました。
しかも見ているうちに人影は増えてゆき、少しずつ上手にある会場へ移動しているようでした。
何かヤバイ見つかったらヤバイ追い越されてもヤバイ!
そんな風に感じて気付かれないようにこそこそ雑木林から会場に戻りました。
続きます
10年くらい前の、ひいばーちゃんが無くなった時の話です。
この時初めて幽霊さんの大群を見ました。
ひいばーちゃんの家が狭かった為に通夜・葬式は会場を借りて行う事になりました。
場所は寂れた山の中、建物もボロっちい平屋、廃屋と墓場が会場の下手にある嫌な所でした。
会場のすぐ近くにある雑木林の中には苔生した御地蔵さんの残骸などもありました。
子供の時の話ですから、やる事も無く暇で近くを探検して遊びまわってました。
ですが、墓場の端にある石碑付近は何となく空気が悪くて近寄れませんでした。
日が沈む頃まで雑木林で遊んでいて、そろそろ戻ろうと思った時、
あの嫌な感じの石碑のそばに人影が見えました。
しかも見ているうちに人影は増えてゆき、少しずつ上手にある会場へ移動しているようでした。
何かヤバイ見つかったらヤバイ追い越されてもヤバイ!
そんな風に感じて気付かれないようにこそこそ雑木林から会場に戻りました。
続きます
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360: 名無しさん 2006/01/10(火) 23:42:15 ID:2E4sj/WP0
続き
途中で気付かれてないか心配になり、
何度か振り向いてその集団を見たんですが、明らかに異常な人ばかりでした。
目の焦点が合ってないようなのに必死で会場を見つめてるような…
上手く表現できませんがそんな顔してました。
中にはもんぺ?のような服や、時代劇に出て来れそうな格好の人も多く混じってました。
恐怖心で泣きそうなくらいの限界の状態でしたが、何とか会場に着けました。
通夜に集まった人が大勢居て安心し、ちょっと下手を振り向いてみたら、
あの集団はどこにも見当たりませんでした。
ただ、やはり墓場の石碑の方は相変わらず嫌な感じがして、
会場に居る間ずっとそっちの方は視界に入れないようにしてましたが。
その何年か後にひいばーちゃんと同居していたばーちゃんも亡くなり、
また同じ会場で式をする事になった時に知ったのですが、
件の石碑は無縁仏を祀ったもののようです。
中には、山の中ですから過疎化が進んで供養する家族も居なくなり、
仕方なく無縁仏に入れられた古い時代の方も居るそうです。
(ばーちゃんの時は集団幽霊さん見ませんでした。会場に閉じ篭ってましたし。)
きっと供養してもらって成仏したかったんでしょうね。
結局怖くて近寄れず何もできませんでしたが…。
途中で気付かれてないか心配になり、
何度か振り向いてその集団を見たんですが、明らかに異常な人ばかりでした。
目の焦点が合ってないようなのに必死で会場を見つめてるような…
上手く表現できませんがそんな顔してました。
中にはもんぺ?のような服や、時代劇に出て来れそうな格好の人も多く混じってました。
恐怖心で泣きそうなくらいの限界の状態でしたが、何とか会場に着けました。
通夜に集まった人が大勢居て安心し、ちょっと下手を振り向いてみたら、
あの集団はどこにも見当たりませんでした。
ただ、やはり墓場の石碑の方は相変わらず嫌な感じがして、
会場に居る間ずっとそっちの方は視界に入れないようにしてましたが。
その何年か後にひいばーちゃんと同居していたばーちゃんも亡くなり、
また同じ会場で式をする事になった時に知ったのですが、
件の石碑は無縁仏を祀ったもののようです。
中には、山の中ですから過疎化が進んで供養する家族も居なくなり、
仕方なく無縁仏に入れられた古い時代の方も居るそうです。
(ばーちゃんの時は集団幽霊さん見ませんでした。会場に閉じ篭ってましたし。)
きっと供養してもらって成仏したかったんでしょうね。
結局怖くて近寄れず何もできませんでしたが…。
407: 名無しさん 2006/01/16(月) 19:36:35 ID:otduFRv+0
合宿
同級生の話。
高校生の時、部活の合宿で山奥の寺に宿泊したのだという。
参加したのは七名で、皆一緒に大広間に寝泊まりしていた。
異変が起こったのは合宿最終日の夜だった。
夜半過ぎ、ふと目を覚ました彼は驚いた。
彼が寝ていたのは広間ではなく、庭に面した広縁だったのだ。
身体中が蚊に食われまくっていた。痒さで目が覚めたらしい。
てっきり悪戯だと思い怒りながら広間に戻った彼は、再び驚くことになる。
そこで寝ていた筈の仲間が、一人残らず寝具ごと消えていた。
大慌てで深夜の寺院中を探し回ったという。
ほどなく皆、無事に見つかった。
一人一人てんでバラバラな場所に、布団を敷いて眠っていた。
目が覚めた仲間は何が起こったのかわからず、皆一様にあんぐり開けていた。
その後は夜が明けるまで、ろくに眠れなかったそうだ。
翌朝、起き出してきた寺の者に報告したところ、
「ああ、よくあることですよ。別に心配要りません」
とさらっと流されたという。
同級生の話。
高校生の時、部活の合宿で山奥の寺に宿泊したのだという。
参加したのは七名で、皆一緒に大広間に寝泊まりしていた。
異変が起こったのは合宿最終日の夜だった。
夜半過ぎ、ふと目を覚ました彼は驚いた。
彼が寝ていたのは広間ではなく、庭に面した広縁だったのだ。
身体中が蚊に食われまくっていた。痒さで目が覚めたらしい。
てっきり悪戯だと思い怒りながら広間に戻った彼は、再び驚くことになる。
そこで寝ていた筈の仲間が、一人残らず寝具ごと消えていた。
大慌てで深夜の寺院中を探し回ったという。
ほどなく皆、無事に見つかった。
一人一人てんでバラバラな場所に、布団を敷いて眠っていた。
目が覚めた仲間は何が起こったのかわからず、皆一様にあんぐり開けていた。
その後は夜が明けるまで、ろくに眠れなかったそうだ。
翌朝、起き出してきた寺の者に報告したところ、
「ああ、よくあることですよ。別に心配要りません」
とさらっと流されたという。
413: 名無しさん 2006/01/16(月) 21:03:38 ID:+p8FJIOU0
>>407
枕返しってのはこんな現象をいうのかな?
枕返しってのはこんな現象をいうのかな?
408: 名無しさん 2006/01/16(月) 19:38:19 ID:otduFRv+0
カバケ
知り合いの話。
山仲間と一緒に湿原を歩いていた時のこと。
遠くの方から「おーい」と呼ばわる声がした。
陰々と甲高いその声は、聞いていてひどく気味が悪かったという。
まるで人でないものが人の真似をしているような、そんな奇妙な感じがした。
どこから呼んでいるんだろう?
そう思ってキョロキョロ辺りを見回す彼に向かって、仲間が忠告した。
「反応するな。あれはカバケの声だろう。
呼ばれて行くと、沼に嵌まるっていう話だぞ」
カバケとは河童化けが訛った名称らしく、人を水に引きずり込む類いの妖怪
なのだという。
毎年、麓の川で上がる水死体の何人かは、こいつにやられたのではないか。
そう地元では噂していたそうだ。
二人揃って声を無視することにした。
湿原を抜けてからも声は彼らを追ってきたが、やがて聞こえなくなったという。
知り合いの話。
山仲間と一緒に湿原を歩いていた時のこと。
遠くの方から「おーい」と呼ばわる声がした。
陰々と甲高いその声は、聞いていてひどく気味が悪かったという。
まるで人でないものが人の真似をしているような、そんな奇妙な感じがした。
どこから呼んでいるんだろう?
そう思ってキョロキョロ辺りを見回す彼に向かって、仲間が忠告した。
「反応するな。あれはカバケの声だろう。
呼ばれて行くと、沼に嵌まるっていう話だぞ」
カバケとは河童化けが訛った名称らしく、人を水に引きずり込む類いの妖怪
なのだという。
毎年、麓の川で上がる水死体の何人かは、こいつにやられたのではないか。
そう地元では噂していたそうだ。
二人揃って声を無視することにした。
湿原を抜けてからも声は彼らを追ってきたが、やがて聞こえなくなったという。
409: 名無しさん 2006/01/16(月) 19:40:16 ID:otduFRv+0
太い竹
同僚の話。
持ち山で竹を切っている時のこと。
一本だけ、妙に太い竹に出くわした。
普通の竹の倍はあったらしい。
大きさに躊躇いながらも鉈を入れると、節から盛大に水が吹き出した。
どこにこれだけの水が収まっていたのか、不思議になるくらいの量だった。
竹薮一面が水溜まりとなり、その日の作業はそこで打ち切って退散する。
翌日、家に昔からある井戸が枯れてしまったという。
「あの竹と何か関係があったのかなぁ?」
水道工事の段取りをしながら、彼はそう不思議そうに首を傾げていた。
新編 黒部の山人 山賊鬼サとケモノたち
同僚の話。
持ち山で竹を切っている時のこと。
一本だけ、妙に太い竹に出くわした。
普通の竹の倍はあったらしい。
大きさに躊躇いながらも鉈を入れると、節から盛大に水が吹き出した。
どこにこれだけの水が収まっていたのか、不思議になるくらいの量だった。
竹薮一面が水溜まりとなり、その日の作業はそこで打ち切って退散する。
翌日、家に昔からある井戸が枯れてしまったという。
「あの竹と何か関係があったのかなぁ?」
水道工事の段取りをしながら、彼はそう不思議そうに首を傾げていた。
新編 黒部の山人 山賊鬼サとケモノたち
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