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277: 名無しさん 2006/03/18(土) 23:27:31 ID:dIboFToP0
トイレ

冬季、遭難者の遺体が発見されたという噂さえあるトイレが
真っ暗というのは、どうも落ち着かない。

昼間は気分の良いテント場だったが、暗くなると、どうにも
不気味な空気が、重苦しい。

ランプくらい持ってくれば良さそうなものだが、外からは
中の暗さが分からなかった。
想像していたより、ずっと暗い。

ぼんやり白い小便器の前に立ち、小便が便器の中に落ちているかを
確かめるのは、その音だ。

何の加減か、窓のガラスが、小さく音を立てた。
ぴいん、とガラスが響き、ちりちり震えた。

手を洗おうと流し台の前に立ったが、水道の蛇口が見えない。
目線を落とし、手を伸ばし、左右に振ったが、蛇口には触れない。

まあいい。
そのままトイレを出ようと目線を上げた。

出し抜けに水音が起こった。
ぎょっとしつつも、音が湧いてくるあたりへ、つい手を差し出した。
冷たい水が手を濡らし、それより冷たいものに両手が包まれた。

誰かの手に握られたことは感触で分かった。
冷たく、柔らかい大きな手だ。

振りほどくと同時に、水音は止まった。
そういえば昼間、大きな鏡があった。

きっと、自分ではない何かが、闇だけを映しているはずの
鏡の中にいるに違いないと思った。

それが発見された遭難者かどうかは、もうどうでもいい。
決して鏡の方を見ずにトイレを出た。

朝、トイレの大きな鏡には、ひびが走っていた。

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299: 名無しさん 2006/03/20(月) 23:44:49 ID:bbDniWFj0
無花果

知り合いの話。

彼女が、友人の田舎へ遊びに行った時のことだ。
すぐ傍の山で無花果が取れると聞いた彼女は、早速友人を案内人に仕立て
上げた。麓に差し掛かり、いざ山に入らん!という頃合。

後ろから二人を追い越した車が、少し離れた先で停車する。
霊柩車だった。友人が露骨に顔を顰める。

車背面のドアが開くと、白い棺を抱えた黒服が数名降りてきた。
彼らを見た彼女は、奇妙な感じを受けた。

無表情というか、顔がまったく印象に残らない、そんな男たちだったという。
黒服たちは棺を道の上に置くや、車内に引き返して行く。

そのまま白い物体を置き去りにして、霊柩車は山を登っていった。
彼女たちの目の前、山への入口を塞ぐように、それはデンと据えられていた。

思わずポカンとした。

この辺りには、棺を野晒しにするおかしな風習でもあるのだろうか?
そんな疑問を抱いてしまったという。

300: 名無しさん 2006/03/20(月) 23:46:38 ID:bbDniWFj0
(続き)
「帰ろ」友人が踵を返す。

無花果は?と追いすがる彼女に「今日は諦めなさい」とつれない返事。
道すがら聞いたところによると、あれは本当の霊柩車でも葬式でもないという。

一体、何が葬儀の真似事をしているのかは不明だが、ただただ、とんでもなく
縁起が悪い物なのだと聞かされた。近よると、最悪命に係わることもあるらしい。

「実際に近づいて確認した人の話なんて、最近は聞いたことがないから、
 本当はどうなのかわからないけど。
 あんたが見てきたいのなら止めないわ。行って来い」

振り向いて見た。
道の上に、先程まであった筈の棺は、影も形もなくなっている。
無花果は明日にするわ。そう答えて山を下りたのだという。

何でも昔は霊柩車でなくて、黒い人夫が棺を担いで来て置いたらしい。
その時その時の流儀を真似ているんだろう。ハイカラだね。
友人の家族の間では、ごく普通にそんな会話が成されていたと聞く。

ちなみに彼女、翌日は無事に無花果を入手できたのだそうだ。

306: 名無しさん 2006/03/21(火) 12:44:54 ID:gM55O3MR0
無花果は普通にスーパーなんかでも
うってるけど、すごく旨いというものでもない。
砂糖がそんなになかった時代ならともかく。
種のプチプチ感がちょっとキウイに似てる。

313: 名無しさん 2006/03/21(火) 22:00:05 ID:qsk0TuSO0
無花果、美味いよ。思うに、アケビにしろ、無花果にしろ、私たちが野の果物に
求めているのは甘味だけはないと思う。アクというか、風味というか、山菜なんかが
持っている、旨みとはまた違った風味と同じ種類のものじゃないだろうか。

319: 名無しさん 2006/03/22(水) 02:03:49 ID:2gUrnUO30
イチジクやビワを敷地内に植えると家が没落するって言い伝えがある。
私の生まれ故郷では、町内を流れてる用水の岸を勝手に耕して
イチジクやビワを植えてたな。
敷地に植えるの嫌だったらしい。

その言い伝えのせいか、イチジクがたくさん採れる山、って
なんだか怖い。

320: 名無しさん 2006/03/22(水) 05:20:50 ID:FDslffXw0
イチジクは勝手になってるもんだ。
山が先で家が後だろう。山は没落しないからな。

322: 名無しさん 2006/03/22(水) 09:15:40 ID:lQvKSBPK0
いちじく、縁起が悪いって言う人、いますよね。
実のなる木を庭木にしてはいけない、っていう人も。

なんでだろう。何か吸い取られてしまうんでしょうか。
それとも何かを呼ぶ、とか。

ちなみに、私が以前住んでいた家の裏庭にあった梨
は、アライグマにやられました。楽しみにしてたのに。

いちじくは、生ハムと食べるとおいしいです。そこに
しょっぱくないチーズを足してもグー。アメリカの
人は皮ごと食べる。びびった。

326: 名無しさん 2006/03/22(水) 17:44:33 ID:3twfSxUK0
>>322
イチジクは湿気を呼ぶので庭に植えると縁起が悪いと言われている。
湿気は病気の基だと考えられていたから。

375: 名無しさん 2006/03/24(金) 20:45:35 ID:nWY0FfTG0
黒い石

知り合いの話。

一人で山を縦走していた時のこと。
夜、誰かに話し掛けられて目が覚めた。
ツェルトのすぐ外側に、誰かが立っていた。

それは執拗に、同じ問い掛けをボソボソと繰り返している様子だ。
耳を澄ませているうち、何とか内容が聞き取れた。

「石か?糸か?」
そんなことを彼にずっと聞いている。

寝惚けながらも何か答えなくては、と思い「じゃあ、石で一つ」と返事した。
途端、フッと気配は掻き消えた。
変な夢を見たな、それくらいの気がして再び寝入ったという。

山から下りて二日後、突然激しい腹痛に襲われて、彼は病院に運び込まれた。
調査の結果、胆石が胆管を塞いでいるとわかり、緊急の手術がおこなわれる。

彼の腹内からは、鶉の卵ほどもある黒い石が取り出された。

376: 名無しさん 2006/03/24(金) 20:47:43 ID:nWY0FfTG0
(続き)
医者から「今までに痛かったとか、何か兆候はなかったのか?」と尋ねられた。
結石がこれ程まで成長する間に、まったく何の痛みもないなどということは、
まず考えられないのだそうだ。

対する彼の答え。
「腹があんなに痛かったことなど、これまで記憶にない。
 あんな類いの痛みは初めての体験だった」
医者は最後まで、納得が行かない顔をしていたという。

あの時、糸って答えてたら、何が出て来たんだろうな?
そう私が聞くと、彼は首を振って「考えないようにしているから」と答えた。
ちなみにその時の石は、今でも彼の手元に有るそうだ。

387: 名無しさん 2006/03/25(土) 16:56:00 ID:taDqhutIO
>>375
ウズラの卵?
胆石というか結石ってそんなに大きくなるの!?
そりゃ痛いだろうなぁ…

388: 名無しさん 2006/03/25(土) 17:27:34 ID:B8wEq1IfO
>>387
胆石の一つの大きさはトウモロコシの粒程度
それが何個も集まって大きくなる訳だが
ウズラの卵程あったら異常。

普通の人間だったら痛過ぎて気を失うんじゃない?
俺の知り合いは前から痛いと思っていたが
ある日の晩にあまりの痛みで失神して病院運ばれて即手術

取り出された胆石は握り拳をした時の人差し指と親指の部分を
足した位の大きさで医者が本当に驚いたそうな

後日カラカラに乾燥したその胆石を見せてもらったが
前述したようにトウモロコシの粒程の大きさの胆石が
びっちり集まって、ほのかに黄色がかってて
見た目も形も大きさもトウモロコシの先がひからびた様で
リアルで引いた。

だが飲食店なのに普通に小ビンに入れて置いてやがる事が
もっと引いた


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引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1141220480/

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