moon (1)

168: 名無しさん 2012/12/31(月) 21:17:24.93 ID:LnHHOmtx0
案山子

  知り合いの話。

刈り取りが終わった山田を歩いていると、どこからか「おーい!」と呼ぶ若い女性の声がする。

誰かが助けを求めているのかと捜してみると、田圃の中に突っ立っている女子高生を見つけた。
「どうした?」と声を掛けながら走り寄る。

近くまで寄ってからようやく、それが生きた人間でないことに気が付いた
そこに立っていたのは、マネキンに鬘とセーラー服を着せて作った案山子だった。

三つ編み頭で一本足、両手をだらりと脇に下げている。
「一体あの声は何だったんだ?」と気味悪く思いながら、畦に戻ろうと背を向けた。

二、三歩ほど引き返したところ、すぐ背後からまたあの声が掛けられる。

「おーい!」

慌てて振り向いたが、やはりそこには件の案山子が立っているだけだ。
急に一人でいるのが恐ろしくなり、走って逃げ出したという。
田が見えなくなるまで、背後からは「おーい!」と呼び続ける声が聞こえていたそうだ。

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169: 名無しさん 2012/12/31(月) 21:18:37.47 ID:LnHHOmtx0
プンとした匂い

  知り合いの話。

実家の持山に入った時のことだ。
うっかりと下りる筋を間違えたらしく、見覚えのない広場に出た。

刻は既に夕暮れで、「暗くなる前に知った道に戻らなければ」と焦っていた。
方角を確認し歩き出そうとすると、プンとした匂いが鼻に届いた。

彼は過去に大型犬を飼っていたそうだが、その獣臭によく似ていたという。
目を凝らすと、広場の奥まった藪中に、小さな社があるのに気が付いた。

傷んだ社の前には、毛むくじゃらの何かが蹲っていた。

臭いが更にキツくなり、その後に唸り声が聞こえてきた。
何物か正体はわからないが、怒っている!?

次の瞬間、強い風が全身に吹き付けてきた。
フワリと身体が宙に浮き、そのままコロコロと地面の上を転がる羽目になる。

恐る恐る身を起こしてみると、そこは自分の見知った山道だったそうだ。

その後、何度かあの広場に行ってみようとしたが、未だ辿り着けていないという。

170: 名無しさん 2012/12/31(月) 21:20:35.48 ID:LnHHOmtx0
スッポン

  知り合いの話。

実家の山村へ里帰りした折のことだ。
夜、久しぶりに川へ鰻釣りに行こうとすると、祖父に注意を受けた。

「この時期の川はスッポンが出るかもしれんから気を付けろ」と。

「スッポンかぁ、鰻がダメならそっちを食べても良いかな」などと考えて、
さして気にもせずに出かけたのだが、いざお目当ての川岸に着いたところ、
何やら水際で蠢く小さな影があった。

ライトを向けてみると、赤黒い幼児みたいな生き物が二匹、何かを探している
ような調子で浅瀬の石をひっくり返している。

こちらに気が付いたのか、二匹は顔を上げると、彼を見て奇声を上げた。

慌てて逃げ帰った。

状況を察した祖父が「だから気を付けろと言ったろうが」としたり顔で言うのに、
「アレはスッポンじゃなくてどう見ても河童だったよ!?」と文句を返していると、
祖母が苦笑しながら仲裁をしてくれた。

「ここいらでスッポンってのは、普通に河童のことなんだよ。
 正しくはアカスッポンって言うんだけど、爺ちゃん達は皆スッポンとだけ呼ぶの」

「スッポンとカッパじゃ、いくら何でもえらい違いだよな」
彼はぷりぷりと怒りながら、そうボヤいていた。

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引用元:https://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1356309352/

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