これは俺の親父が小学生4年か5年かそこらの話。
親父の実家の結構近くに、とある神社があった。
梅林が有名で、結構格式高い神社らしい。
親父の行ってた小学校は、毎年全校生徒で遠足を行うのだが、その遠足ってのは
その神社を抜けた先にあるハイキングコースを登って、山頂まで行くという物だった。
引率の教師や他の生徒とともに親父も敷地を抜けて、ハイキングコースの入り口まで行ったのだが急に腹痛がしたので隣の生徒に「便所行ってくる」と言って、神社の入り口傍のトイレにまで戻った。
親父にとって件のハイキングコースは遊び場みたいな物で、良く家族や一人で山登りしていたし、もう何年も行ってる遠足なのでルートを覚えていたから勝手に列を離れたのだとか。
用を足してすっきりした親父は、急いで後を追って山を登り始めた。
どうせ30分もしないうちに合流できるだろう……、と親父はたかを括っていたのだが、
何故か1時間近く登っても合流できない。
それどころか、他の登山客や、挙句鳥の声すらも聞こえない。
前述の通り、何度も登っている山で、何度も登っているルートだから間違えるはずはなく、
仮に間違えても大体の道は覚えているからすぐに修正がきくはずだった。
なのに進めば進むほど鬱蒼と木が茂ってきて、見覚えの無い景色ばかり出てくる。
その山は登山ルートがしっかり間伐されてるので、木々にかげって薄暗い場所は殆どないはずなのである。
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