128: 名無しさん 2006/09/15(金) 01:59:12 ID:pqAQSlLD0
何年も前になる。
東北での話だ。
貯水池を近くに置き、路に身を切られた山がある。小さい山だ。
幼い頃に山で遊び、注意を呼掛ける立て札に気付いた時は驚いたものだ。
山中を通る路に差し掛かった時、何時もは何故か通らない脇路に目がいった。
不意に、と云うのも可笑しいがその分れ路に何かの発見を期待したのか、その路を行きたくなった。
東北での話だ。
貯水池を近くに置き、路に身を切られた山がある。小さい山だ。
通学路になるほどに小さい山だ。だが其処には熊も生息する。
幼い頃に山で遊び、注意を呼掛ける立て札に気付いた時は驚いたものだ。
小学生の頃だろうか。
何の気なしに冒険気分で山道と云うにはアスファルトで整備された道を歩いていた。
散歩と変わらないが子供の時分というのは良く知るところを歩いても新しい発見があるもので、
その時も何故その路に入ったか良く分らない。
山中を通る路に差し掛かった時、何時もは何故か通らない脇路に目がいった。
不意に、と云うのも可笑しいがその分れ路に何かの発見を期待したのか、その路を行きたくなった。
スポンサーリンク
129: 名無しさん 2006/09/15(金) 02:00:03 ID:pqAQSlLD0
陽を遮るのは僅かな木陰だけの其の路は勾配の激しい路だった。
何時もなら駄々を捏ねそうなものだが只一人路を歩くのは、そうする気を殺ぐ。
夕方に差し掛かった頃だろうか。陽はまだあったが少し肌寒くなってきていた。
路の脇に空き地があった。山の木々に覗かれているような場所だ。
其の頃簡単な釣りに嵌っていた為かポケットには釣り道具があった。
釣りと言っても子供のそれ。木の棒に糸をつけワーム(ゼラチン状の疑似餌)
池を覗き其れを池に垂らした。
その一つを思い切り手で鷲掴みにしていた。
にも関わらず黙々と歩く。
何時もなら駄々を捏ねそうなものだが只一人路を歩くのは、そうする気を殺ぐ。
何故だかそういう気を起こさせないものなのだ。
夕方に差し掛かった頃だろうか。陽はまだあったが少し肌寒くなってきていた。
・・・・全く昼食も摂らずに良く歩けたものだ。
路の脇に空き地があった。山の木々に覗かれているような場所だ。
その空き地の隅のほうに池があった。水溜程にも小さな池だが絵になっていたように思う。
其の頃簡単な釣りに嵌っていた為かポケットには釣り道具があった。
釣りと言っても子供のそれ。木の棒に糸をつけワーム(ゼラチン状の疑似餌)
を其の先に付けただけの物だ。お下がりの集合体にしては体を成していたとも思うが。
池を覗き其れを池に垂らした。
生き物がいそうな池だと思ったが何もいない。魚も含め虫すらである。
ふいに何かが食いついた。すかさず釣り上げると――――井守だ。針も無いのにご苦労なことである。
その池には他に何も、いや袋。中身が入っているのかどうか袋が大量に捨ててある。
紙袋、ビニール袋様々である。
何が入っているのか木で突こうとした時足を滑らせ池に落ちてしまった。
内心相当焦ったが大した深さでもなかったせいか直ぐ落ち着いた。が、直ぐにもう一度取り乱してしまった。
袋に入っていたのは死骸だった。子猫、絹鼠、子犬、小鳥それらの死体が袋に詰められ池に浮かんでいた。
その一つを思い切り手で鷲掴みにしていた。
130: 名無しさん 2006/09/15(金) 02:01:24 ID:pqAQSlLD0
焦るなんてものではない、池が別のモノに見えた。其処に半身が浸かっている。例えようもなかった。
例えようにも生涯初めての経験である。例えるモノ等その当時なかった。
這いずる様にして必死に池から上がった。足に力が入らず寒さが胸に落ちた昏い吐きそうな感情を逆撫でていた。
不意に水音がする。 井守が跳ねた。
井守も跳ねるものなのか。何故か場違いな事の様な気がして滑稽だった。
今はその池は埋め立てられてもう無い。埋め立ての工事を見た時工事の人が何を思っているか気になったものだ。
山は寺も抱いていた。人のではない、動物の、である。
131: 名無しさん 2006/09/15(金) 02:13:56 ID:/wk9xgWM0
▽注目記事
スポンサーリンク

