370: 名無しさん 2006/12/20(水) 00:18:07 ID:vA4+1wXN0
紅葉
林道を外れ、明るい斜面でモミジを眺めていた。
一枚の葉を、紅と緑が染め分けていた。
目を凝らし、顔を寄せた。
よく考えてみれば、不思議な形の葉だ。
じわり、と違和感を感じた。
背筋を伸ばし、ほんの数秒考えた。
目の前でかすかに揺れる葉は、付け根に近い部分が紅く、
葉先が緑色だ。
紅葉というのは普通、葉先から色を変えるはずだ。
紅葉の仕組みを、凍傷に例えて説明した登山家が居た。
紅葉には、確かにそれと似たところがある。
そうした理屈や摂理からすれば、逆の順序で色を
変えるなど、およそあり得ない。
林道を外れ、明るい斜面でモミジを眺めていた。
紅葉は始まったばかり。
一枚の葉を、紅と緑が染め分けていた。
境目は、どんな色をしているだろう。
目を凝らし、顔を寄せた。
よく考えてみれば、不思議な形の葉だ。
じわり、と違和感を感じた。
葉の形にではない。
背筋を伸ばし、ほんの数秒考えた。
葉の色だ。
目の前でかすかに揺れる葉は、付け根に近い部分が紅く、
葉先が緑色だ。
紅葉というのは普通、葉先から色を変えるはずだ。
紅葉の仕組みを、凍傷に例えて説明した登山家が居た。
生命を守るための反応としての凍傷。
紅葉には、確かにそれと似たところがある。
そうした理屈や摂理からすれば、逆の順序で色を
変えるなど、およそあり得ない。
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371: 名無しさん 2006/12/20(水) 00:19:25 ID:vA4+1wXN0
その珍しい配色が、俺に手を伸ばさせた。
驚いて指を離したが、その一枚だけが綺麗な紅色だ。
別の一枚を同じようにつまむと、これも紅く染まった。
不意に目の前が暗くなり、聴覚が失われていく。
風もないのに、斜面の木々が激しく揺れていた。
紅に包まれ、力が抜けていく。
目覚めたのは、林道脇だ。
あのモミジがどこにあるのか、どうしても思い出せなかった。
葉をつまみ、力を入れた瞬間、その葉が真紅になった。
驚いて指を離したが、その一枚だけが綺麗な紅色だ。
別の一枚を同じようにつまむと、これも紅く染まった。
不意に目の前が暗くなり、聴覚が失われていく。
何だか分からぬまま、危険だけを感じた。
風もないのに、斜面の木々が激しく揺れていた。
紅に包まれ、力が抜けていく。
目覚めたのは、林道脇だ。
あのモミジがどこにあるのか、どうしても思い出せなかった。
373: 名無しさん 2006/12/20(水) 01:20:05 ID:ZtiaudO10
山って催眠にかかりやすいんだろうか。
以前里山を登ってたら同じおばあさんが何度もおりて来るのに擦れ違って
気味悪がったメンバーが途中で下山しまったことがあった。
もしかしてあのおばあさん、5つ子だったのだろうか。
以前里山を登ってたら同じおばあさんが何度もおりて来るのに擦れ違って
気味悪がったメンバーが途中で下山しまったことがあった。
もしかしてあのおばあさん、5つ子だったのだろうか。
378: 名無しさん 2006/12/20(水) 05:41:13 ID:eGmF8VHW0
『 ニエザル 』
H氏は散歩がてら、デジタルカメラで風景写真を撮るのを趣味としていた。
特に、デジタルの時代とはかけ離れた、古い民家や路傍に佇む小さなお社などを
ファインダー越しに覗いていると、得も言われぬ幸福感に包まれるのだった。
秋も深まったある日、H氏は自宅から徒歩で行ける里山へと被写体を探しに向かった。
子供の頃から住み慣れた街ではあったが、山の方となると知らない物ばかりが
目に止まり、興味は尽きなかった。自ずと足が前に出た。
そこは小さな山ではあるが、円錐型の整った容貌から日本一有名な山と同じ名を冠し、
地域住民の信仰を集め、頂上には神社が祭られていた。
昔と違って、いつの間にか遊歩道が整備されており、難なく頂上の社までたどり着けた。
あやふやな作法で参拝した後、神社を撮影した。本殿は簡素な造りではあったが、
ふと、神社脇の大木を見上げると、枝に薄桃色のひも状の物が巻きついている。
色素を欠いた白蛇かと思い、これは縁起が良いとばかりにH氏はレンズを向けた。(続)
H氏は散歩がてら、デジタルカメラで風景写真を撮るのを趣味としていた。
特に、デジタルの時代とはかけ離れた、古い民家や路傍に佇む小さなお社などを
ファインダー越しに覗いていると、得も言われぬ幸福感に包まれるのだった。
秋も深まったある日、H氏は自宅から徒歩で行ける里山へと被写体を探しに向かった。
子供の頃から住み慣れた街ではあったが、山の方となると知らない物ばかりが
目に止まり、興味は尽きなかった。自ずと足が前に出た。
里山の中心に、一際目を引く美麗な山があった。
そこは小さな山ではあるが、円錐型の整った容貌から日本一有名な山と同じ名を冠し、
地域住民の信仰を集め、頂上には神社が祭られていた。
(子供の頃、遠足で一度登ったっきりだな。)H氏はそう思い出し、麓の鳥居をくぐった。
昔と違って、いつの間にか遊歩道が整備されており、難なく頂上の社までたどり着けた。
あやふやな作法で参拝した後、神社を撮影した。本殿は簡素な造りではあったが、
歴史を感じさせる荘厳さで、H氏のシャッターを切るスピードも増した。
ふと、神社脇の大木を見上げると、枝に薄桃色のひも状の物が巻きついている。
色素を欠いた白蛇かと思い、これは縁起が良いとばかりにH氏はレンズを向けた。(続)
379: 名無しさん 2006/12/20(水) 05:42:02 ID:eGmF8VHW0
しかし、それは蛇ではなかった。うっすらと血管が透き通り、所々、血が滴っている。
肉。皮を剥がれた肉が、細長く引き裂かれ、枝にグルグルと巻きつけられていたのだ。
辺りには、木々や土の匂いに混じって、肉の生臭さがほのかに漂っていた。
H氏は血の気が引き、カメラをゆっくりと下ろす…
「やめんしゃい!」と、背後から突然声をかけられた。
振り返ると老人がいた。私服だったが、話からすると神職に携る人らしい。
H氏は枝の肉の事を聞くと、老人はしばらく沈黙した後、口を開いた。
「あれは神社の祭り事とは関係無か。昔から何年かに一度、
何者かがああして神木に肉を結びつけよる。わしらはニエザルと呼びよるが。」
おそらく『贄猿』とでも書くのだろう。猿の肉なのですかと聞くと、
「便宜上、そう呼びよるだけで、何の肉かはよう分からん。
どっちにしろ、気違いのする事やけん、人に話さん方が良か…」
そう言って老人は背を向け、本殿へと入っていった。
H氏は遊歩道の階段を駆け下り、すぐに山を後にした。
家に帰ってから、少し迷ったが、その日撮影した写真をすべて消去する事にした。
カードを初期化中、鼻の奥から生臭いにおいが漂ってきたが、
H氏は頭を大きく振って、それを鼻から吐き捨てた。
山怪 壱 阿仁マタギの山
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引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1164769091/
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