1: 名無しさん 2025/02/24(月) 12:20:46.13 ID:2zMXX+XZ9
琵琶湖を水道水の水源としている京都市は、2025年度から10年間、年2億3000万円の「感謝金」を支払うことで滋賀県と合意した。自治体間で水の使用料を払う義務はないが、市は大正時代から1世紀以上、水源保全の取り組みへの感謝として支払いを続けている。(矢野彰)
1914年に支払い開始
琵琶湖の水は「琵琶湖 疏水そすい 」を通じて京都市内に流れ、市内の水道水の99%を賄っている。当時の河川法の定めで、京都市は1914年(大正3年)度から「水利使用料」として滋賀県に年1600円を支払い始めた。国の通達で使用料が不要になった後も相当額を寄付金として払い、終戦後の47年からは「琵琶湖疏水感謝金」の名目になった。
滋賀県は下水道事業や琵琶湖での水草の刈り取り、森林保全など水源や水質を守るため、2024年度は395億円を投じるなど、毎年多額の費用をかけている。感謝金には、水道を使う京都市民のお礼の気持ちも込められているという。
金額の見直し(略)
協力関係の象徴(略)
明治に完成、京都再興の礎
大津市と京都市の間の山地を貫く琵琶湖疏水は総延長約30キロの運河で、明治時代に京都府が計画。京都市が整備を進め、1890年(明治23年)に水力発電やかんがい、工業用などに使われる第1疏水、1912年(明治45年)に水道水用の第2疏水が完成した。
整備の背景には、京都衰退の危機があった。幕末の1864年に起きた「禁門の変」で市街地が焼失した上、明治に入って首都が東京に移り、人口が大幅に減少。船による物資輸送などで産業振興を図ろうと計画された。疏水の完成で水力発電が始まり、織物、絹糸、時計などの生産につながったほか、街に電灯がともり、市電も運行。琵琶湖の水が京都再興の礎になった。
疏水は2020年に文化庁の「日本遺産」に認定され、行楽シーズンには疏水を通って大津市と京都市を結ぶ観光船が運航されている。疏水の施設は京都市が管理しており、滋賀県が琵琶湖の水を止めることはできない。
読売新聞 2025/02/24 09:09
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250223-OYT1T50101/
スポンサーリンク